少しの滝見と山登り◇

鹿沼市
蕗平沢支沢
〜地蔵岳〜夕日岳

ゆうひだけ:1526.1m
じぞうだけ:1483m


                  



2014年 12月 31日 訪問


(時間やルートは参考にしない事)
              
  2013年晦日の夕日岳

 2014年も今日一日だけ.昨年は積雪が多くかなり難儀だった.ニュースでは各地で大雪が報道されている.寒波が次々と押し寄せかなり寒い.一旦コタツに入ったら中々出られない私は果たして今年も(恒例になってしまった様な)夕日岳に行けるんだろうか、、、と危惧する.12月に入ってからは仕事や葬祭事、雑事が重なり思った様に山行が出来ない(山へ行く気が起きない).鞍掛山と雨巻山で足の鍛錬をと慰めておく程度.それでも何とかその日近くになると少しずつテンションが上がってくるのが何となく嬉しい.

 東大芦川から蕗平沢林道に入っても雪が全くない.林道終点近くの空き地に車を駐めたのは5時半頃.東の空がほんのり明るくなってきたが回りはまだ暗い.車載温度計は−3度.昨年は大芦ヒュッテで-6度位だったからやや暖かいといえるか.朝飯のカップキツネを食べしたくしている内に明るくなってきた.

 今日はさすがに沢遡行は控えるがそれでも徒渉水の中に入るだろうから足元は久々のスパ長だ.カメラに三脚、輪カン、ザイルなどちょっとした装備.ゲッ、、、重い・・・.大丈夫かぁ(笑) .
 林道を少し歩き、支沢を一つ横断して樹林の中の踏み後へ入る.帰路下って来る筈の本流左岸と沢の様子をまず確認.車を駐めた辺りから(横断した)支沢迄の右岸は崖で帰路登り返しはかなり厳しいが、この支沢左岸は問題ないだろう.下りてくる(本流)左岸の斜面も厳しい崖はなさそうだ.
 すぐに踏み後は山側と渓側へ別れている.右へ歩き(本流の)沢へ下りて最初の徒渉.水はそれ程多くないから滑るのを注意すれば困難はない.


東の空が明るくなってきました 6:40出発です


蕗平沢 向から徒渉


対岸に支沢が見えます


その支沢には滝が見えます 遡行スタート 7:00


出合いの滝 夏なら水を浴びて登れるでしょう
 少し遡行すると右岸に滝をかけて沢が合流する.今日はこの沢を遡って地蔵岳、夕日岳と巡る予定だ.一応、GPSにポイントをとっておく.あれ! っっっっと、一度目のポカ.
 山へ行く時は概ねの道程を地形図(コピー)に朱書きして置いてくるのだが、この滝をかけている沢は林道終点から2番目の沢だった.前に本流を遡行した時見ていて、その時3番目の沢と思っていて、地図の朱書きには3番目の沢.遡行する沢自体は間違っていないのだが、家に置いてきたルート図を間違えてしまったから、仮に遭難した場合などちょっと困る・・・ が、  ま、滝のかかる支沢と伝えてあるから、予定(?)通りこっちを遡行する事にする.
 出合いの2段滝は細い6−7m程.対岸からはその上にやや幅広の滝が見えるが、夏などは木々の葉で見えづらいかも知れない.2段滝は左を小さく巻くのだが、右半分土に埋もれている小枝を踏んだ時小枝が折れ右が跳ね上がって右目を直撃.目から火が出た.涙が出て暫く見えづらかったが出血する事もなく痛みもすぐに治まった(家に帰って鏡を見たら、右目のすぐ下の鼻に近い方が黒ずんで、白目が充血し真っ赤になっていた) うーん、何だか先が思いやられる.


少し幅の広い滝


巻から滝下を俯瞰


右岸踏み後からは上段の滝が見えます


3−4m程の滝


道を塞ぐ倒木


 少し幅の広い滝は7−8m程あり、その上に下部しか見えない4m程の滝が続いている.左岸斜面を登って滝上に出、上段の滝頭を横断すると踏み後に出る(以前も確認済み).右岸斜面からは下段半分と上段が見えるが全体は見えない.適当に撮影を終え、滝頭に戻ってその上流にある3−4m(はないか、、)程の滝を撮る.この滝を越えると沢は幾つか小滝は出るものの平凡になり、左から涸れ沢が合流する辺りで水は涸れてしまった.ただ、所々で岩の下から水音が聞こえるから、伏流しているのだろうが、それも僅かで聞こえなくなった.
 沢はぐんぐん傾斜を増してきて急になっていく.1150m付近では雪も出てきて陽が当たっていないから寒い.遡行を止め、小尾根に出たがあまりにも急で登るのに閉口し、トラバースして(地蔵岳南尾根)1245Pから東に延びる尾根に移動した.こちらは踏み後っぽいものもあり、登りやすい.一登りで地蔵岳南尾根に到着.東斜面に積雪はあったが、尾根上に雪はあまりなかった.


沢は至って平凡


涸れ沢になり、傾斜が増してきます


振り返ると梢の隙間から僅かに遠望があります


沢形がなくなりきつい斜面となります


小尾根に登る手前の斜面は非常にきついです


トラバース後、1245Pから東に延びる尾根到着です 9:45


尾根上には角材が建てられていました


雪はまだ僅かで、歩き易いです


地蔵岳南尾根に到着です 10:05
 エネルギー補給の小休憩後地蔵岳を目指して気分の良い歩きとなった.途中、3個まとまった祠があった.山の中で見る石祠は簡素な造りが多いが、白っぽい石で造られたものは、棟側面と鬼瓦に当たる部分に簡単だけど細工が施されていた.せっかくだから手を合わせ、今年の無事を感謝し来る年の良運を祈ってみたが効き目はあるんだろうか? 
 特に難儀な所もなく地蔵岳の下、1400付近まできたが此処からの急斜面直登はきつかった.汗をかきかき喘ぎ喘ぎやっと登り着いた.頂上には誰もいなかった.パパッと上着、下着を脱いで汗を拭く.すぐ着直して落ち着き、水を含んでクッキーを食べた.踝程の雪が積もっていて幾つか足跡があったが新しいのは一つだけ.古峰ヶ原から夕日岳の方に歩いていた.


祠が3個ありました


枯れ木の株にブリキ板が挟まってました


地蔵岳の登りはきつい直登でした


地蔵岳到着です 11:05


少し離れた所にある祠


夕日岳への稜線 積雪は踵上位です


三ツ目から夕日岳が見えます 11:25


昨年(2013年)はこの辺り左へ登り着きました


夕日岳、今年も来る事が出来ました(嬉) 11:50


一応三角点を
 道の積雪は踵より上まであるものの歩きにくい程のものではなかったから、今日は輪カンの出番はないかも知れない.昨年輪カンを持たず、夕日岳直下で積雪にかなり苦労したので用意してきたが使わず仕舞いになるかも知れない.今日の靴跡は三ツ目から夕日岳方向へ曲がり、薬師岳方向からの足跡は昨日かその前のものらしい一つだけ.又、今日の足跡と並ぶ様に獣(多分そう大きくない飼い犬)の足跡が続いていた.
 夕日岳手前斜面で犬を連れた爺と同年代(やや若いか)の男性が降りて来て軽くご挨拶.クロという名前の犬を連れた男性、やはり古峰ヶ原の往復だそうだ.どちらからと聞かれたので蕗平から地蔵岳経由でと答えたが、判らない様子だった.今日出会ったハイカーはこの人だけ.
 小雪がぱらつく頂上に着き日光連山を眺めると男体山は半分以上雲に隠れ、右に連なる大、小真名子や女峰山などは殆ど見えなかった.半月山や(そのすぐ隣は社山か)大平山奥に霞んで黒檜岳は見えた.風も強くなく積雪も多くないので露出した枯れ木に座りサンドイッチと缶コーヒーでランチとした.こういう日はガスを持ってきて暖かい物が良いのだろうが、爺の軟弱背中には重すぎるので我慢するしかない.


男体山の上は雲の中です


右、半月山後ろには社山〜大平山の稜線 良い眺めなんですが・・・


さて、下山しましょう 足跡のない夕日岳新道 12:15


凍った時はやっかいな岩場も今日は楽に登れます
 さて、下山は予定通り新道を辿る.今日のものではないが足跡が向かっていた.おや?2、3日前に通った人がいるのか?と、思ったら僅かで戻っていた.キジ打ちかな? 深く詮索せず下って行く.難所の岩場は多少雪があるものの凍ってる様な事はなく、”胸突き”の急降下は雪が無く地肌が凍っていてスパ長のピンが良く効かない.掴まる木が多いのでそれ程大変ではないのだが、時々ズルッとくる.右足がスパ長の中でつま先が多く当たる様になった.三つ目のピークを下降する時はかなり痛かった.間違えちゃダメよ!と地図に円を描いてきた1294P”オオボッチ”で少し休憩.痛めた足先を休ませるが、治りかけた真っ黒爪が復活するだろう.スパ長は久々だから履き慣れないせいもあるかも知れない.まあ、当たらなければ痛くはないので下降を続行.此処で大きなミス.
 新道は南に分かれる尾根を下りるのに、そのまま直進してしまった.これまで明瞭だった踏み後が途端に薄くなったが大して気にも留めず、同じ様な斜面が続く.気持ちの良い樹林帯の緩斜面を下降している時、成る程此処を選んだ新道先駆者は読みが深い.ただ、尾根を登って夕日岳に至るなら細尾峠や禅頂行者道で充分.この新道(まだ間違いに気付いてない)なら、清々しい樹林帯からツツジのトンネル尾根を経由して、ヤシオ花のシーズンなら素晴らしい山旅が出来るだろう.ルンルン気分で下りて行く.


オオボッチ手前の緩斜面


オオボッチ 13:25


多分この辺りで間違えたんでしょう


この時歩き気分は最高です


最高です〜♪


こんな所があったなんて・・・ 


突然”道”に出ました 14:30


桧の樹林帯へ道を辿ります・・・


道は倒木で塞がれています
 広く判り辛い尾根分岐に出た.ん!1071P辺りか? まだ、新道と思っている爺は一応GPSで確認.思いっきり驚いた.此処はまるで別の尾根.1066Pの下、1000m付近にいたのだ.すると右の沢は芦沢か.うーーーん、オオボッチの尾根分岐で間違えた様だ.二度目のポカ.今から標高差300mを登り返して戻る気力なんてない.仕方がないからこのまま尾根の下降を続けて東大芦川の林道に出よう.右の沢は芦沢で.2008年に一度遡行した事があるが、東大芦川出合滝「芦沢滝」の他に2ヶ所程滝があった.ちょっと沢下降は止めておこう.
 気を取り直して右足のつま先をかばいながら尾根を下降し、850m付近で突然”道”に出た.仕事道かも知れないがやけにハッキリしている.これは、林道迄繋がっているかも知れない.足も楽だ.”道”切れていれば適当に下降すれば良いだけの話.
 尾根を回り込んだり、ジグザグに小尾根を下りたり、沢形をトラバースしたりで檜の植林帯に入り、オオボッチから分岐している東南尾根を北方向に回り込んでその尾根を外れた途端、ゲゲゲッ 前方に杉の倒木群が道を塞いだ.今年鹿沼各地に多大な植林倒木被害を出した、あの今年初めの大雪によるものだろう.凄い倒木の数で対面の斜面から沢まで塞いでいる.とても通れず少し戻ってトラバースを繰り返して水の少ない沢に下りた.この沢の倒木は少なく何とか摺り抜けられた.沢幅はすぐ広くなり、堰堤が出てきてそれを越えると東大芦川の林道に出た.一瞬どの辺りか判らなかったが、対岸に「白糸の滝」が見え、程なくワラビ平橋があった.
 


おっそろしい量の倒木です カメラに収まらない程延々と続いています


向うから壁下のバンドを辿ってこちら側へ・・・


細い2段滝がありますが、見てる余裕はありません


沢へ下りて倒木の隙間を摺り抜けていきます


堰堤がありました 15:45


左から林道に出ました


ワラビダイラ橋が見えました 



蕗平林道分岐に到着です 16:10
因みに駐車地到着は 16:50 でした

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当レポは
写真撮影だったり適当に歩いたりで、時間やルートは参考になりません.
仮に当レポを見て行かれる場合は予め情報を収集していただき、計画を
充分に立ててから実行して下さい.