◇滝見と山登り◇

矢板市
権現沢〜釈迦ヶ岳
しゃかがたけ:1795m

                  



2015年 4月 25日 訪問


(時間やルートは参考にしない事)
              
  今年度初めてとなる 「滝巡り沢遡行」 は宿題となっていた権現沢(尚仁沢)から釈迦ヶ岳へ登る事に決めていた.権現沢は2009年に一度遡行している.その時は yuki の足が調子悪く途中から矢板最高点にエスケープした.権現沢は遡行価値が低いのかあまり情報がない.その中で”高原山探訪”HPの Yoshi さん が そこの滝巡りと称して遡行し、釈迦ヶ岳に登り守子林道に下りている.今回の計画は Yoshi さんの時とほぼ同ルート.ただし上流で残雪などの状態を確認し、可能なら釈迦ヶ岳から東に延びる尾根に登り、山頂を踏んで守子林道の登山口に帰りたい、、、というもの.更には行程が長いから足の遅い爺はヘッデン覚悟承知の助.

 天気が良いから、もしかしたら登山口は満車(っつーても3台が精一杯だけど)になるかも知れないと思いつつ車を走らせると、一台もいなかった.朝飯代わりのカップキツネを食べ、今年初めて沢靴(アクアステルス)を履く.舗装路を降り、精進橋の手前を旧作業道跡に入って行く.道脇には小さな花が結構咲いている.スミレとかまあいろいろ.カタクリはこの辺では終わっていて、結実していた.上流の方はどうだろうか・・・


守子林道からの登山口 6:05


雲一つなく快晴です


ヒトリシズカ 今期初めてです


何とか スミレ


こちらは判ります エイザンスミレ


カタクリがびっしり 花はゼロ


沢の様子です


まだ眠いのか キクザキイチリンソウ


やっとカタクリの花


お、アカヤシオですよ・・♪


ショウジョウバカマです
 今日は35版フイルムカメラと少し軽いけど三脚を持って来た.その他いろいろあるから結構、重い.途中、若干道草を喰ったとはいえかなり遅い.人並みに年だし体力だって落ちている.スピードを嘆くより、楽しみながら遡行した方がずっと良い.(←で、遅さに拍車がかかる)
 CS4m程の滝は2009年の時は上(大岩の脇)から落ちていた.落水は岩に隠れてよく見えない.大岩を回り込み上に行ってみるとその理由が判る.大量の沢水が大岩の手前で潜り込んでいたのだ.すぐに先日の引き返し点に着く.先日はトレッキングシューズだったから、沢水に入るのを止め右の岩場を巻いた所で行き詰まった.今日は沢靴だし、もう適当に濡れているからジャブジャブ入って難なく右のバンドを登り上に行く.


先日は此処で引き返しました


←の岩の上から振り返ってカシャッ 右上の所迄来て行き詰まったんですね


二俣に着きました


両岸狭く圧迫感のある左俣です


こちらは水量が多い本流(右俣)
 左右ゴルジュになっている二俣に着いた.左俣はより狭く、少し入っただけで圧迫感を覚えた.こちらは(ここでは)水が殆ど流れてない.上流にはあるんだろうか?  いずれ、こっちも遡行してみたい等と思いながら右に入って行く.小滝や、勢いの良いCSを見ながら遡行するのは気分が良い.カタクリは陽があたっていないせいか殆どが花を閉じている.キクザキイチリンソウも点在して咲いていた.ショウジョウバカマも所々に.

 いずれも深く広い釜を持つCSや滑の小滝を見ながら、右岸から数条に落ちる滝のある所に着いた.左岸は笹原の広い台地になっている.少し上には水量は少ないが黒い岩肌を滑り落ちる滝がある.笹のない所にはコバイケイソウが生えたばかりで緑が瑞々しい.桃はないけど正に桃源郷.右岸滝で水を汲む為に(500mmだけど)空のペットボトルを持って来た.今日は、出掛けはわりと涼しかったので水の消費は殆どなかった.

 爺は味音痴であっちがあーだとか、こっちがこーだとか批評蘊蓄は出来ない.ただ、今まであちこち飲んだ水の中で最も美味しいと感じたのは裏女峰で此処のはそれに勝るかも知れない(※体調とか気分とかいろいろあるので ”へーそうかい”程度に(笑)) その後、周囲の散策やら撮影やらでかなり時間を潰した.



・・・・


こんなのや・・・


こんなのを見ながら遡行していきます


(→)の滝の下流側 登りやすそうな斜面ですよ


”白糸の滝” 20m近い上から水が湧き出しています 9:15


真下から見上げて


下流を眺めます 左は笹の台地で右に数条の滝が落ちてます


左岸の滝を撮影中です エアレリーズなんか使っていますが
古いですね(汗)


コバイケイソウ 台地には沢山生えていますよ


凄く小さな花です イチリンソウに似てますが・・・


ゴルジュの中に滝が見えてきました 10:25


左に大きな枯れ木があったのですが
 ”桃源郷”から歩き出してすぐゴルジュになる.あれ!中々良い滝の光景ではないか.こんなのあったっけ? と思い出してみる.あ、、、手前の大きな枯れ木が無くなってい、滝前が少し広く感ずるのだ.更に枯れ木の陰になって見辛かった右岸から落ちる細い滝もしっかり見える.あんな、でっかい枯れ木を流し消えさせたのはいつの豪雨だろう.

 滝前から少し戻り左岸を高巻いて滝上に下りる.目の前には落差はないが形の良い直瀑がある.ザックを担いだり下ろしたり.三脚とカメラをセットしたり、仕舞ったり忙しい.この直瀑は良く覚えていて、今回時間が掛かる様だったら撮影はパスしようとか思ってきたが、いざ目の前に立つと う〜ん、やっぱり撮っていこう・・・になってしまう.予定通り釈迦ヶ岳なんぞに登れるんだろうか.此処の巻きは右(左岸)バンドを木の根に掴まりながら巻いたが、右岸の方が楽だったか.
 
 さて、少し緊張しながら直瀑の巻きを終えるとゴルジュ帯は終わり残雪が現れ平瀬が続く.2009年に遡行を諦めエスケープした右の涸沢を過ぎて沢は平行に2本流れる様になった.左に水の少ない沢が合流していてその上流に細い滝が見える.


ゴルジュ滝の落ち口です


こちらは、直瀑


ゴルジュが終わりました


沢は穏やかになりました
 その細い滝に近づいてみると、2本の大きな角柱を横に置いた様な落ち口から水を落としている.何とも不思議.此処はコンデジだけで数枚カシャカシャと.本流に戻り少し遡行を続けるが変化はない.空腹を覚えたしお昼時なのでランチにしよう.枯れ草の生えている平らな所はいっぱいあるから、どこにしようか迷う.(別に何処でも良いんだけど・・・) ちょっと、上流へ行って日向の暖かい場所を選んだ.今日は熱くなるだろうと考え、いつものサンドイッチではなく冷たいお蕎麦だ.保冷バッグに入れてきたからまだ冷たい.コンビニのなのでボソボソはやむを得ないが充分美味しい.沢音も涼しい.蕎麦を食べ終えて枯れ草に寝転んでみた.ウトウト・・・・い、いかん.

 歩き始めてすぐ、上流に滝の様なものが見えた.近づくと右に10m程の滝もある.こちらは支沢らしい.本流の方は2段滝か.支沢の方は手前に流木があり正面台地に上がて何とか全容を撮る事が出来た.本流に戻る.下段は落差があまりない滑の斜瀑だ.滑るのを気をつけながら上に登ると、残雪がある3−4m程.これも岩肌が黒い.下の滝、上の滝共適当にフイルム撮影し、上の滝を巻く時右の尾根裾に向かって鹿道(?)の様なものがあったのでちょっと上に行ってみた.先程の支沢滝の頭が見え、沢は小滝を連続させて右に曲がっていた.


角柱を落ち口に2本置いた様な 支沢の滝


滝が見えてきました


支沢の滝 12:10


本流の滑滝と上にもう一つ


傾斜は緩く左を快適に、、、


2段上部の滝・・・


を、正面から


”つっかえ棒の滝”
 右岸側に残雪を多く見ながら本流は左に涸沢を分けやや右に曲がっている.すぐに、流木をつっかえ棒にした様な滝が現れた.適当に撮影を終え右を登って上に行く.Yoshiさんの記事では、手頃な滝は此処で終わっているから、この上流では水が涸れているだろう.滝の上は滑の流れだ.濡れている滑岩は実に良く滑る.アクアステルスだが、滑らない様にそーーっと足を乗せただけでツルッときた.まあ、沢は広いので無理して濡れた滑岩を歩かなくても良いのだけど.

 右から赤い枝沢が合流している.鉱泉を含んだ水を流しているのだろう.嘗めてみようと思ったが、どうせ苦いんだろうし味を知ってどうしようってな事になるから止めた.そこを過ぎると間もなく水は少なくなり、この時期の雪融け水がなかったらとっくに涸れているだろう、の、雰囲気.沢の上流を見上げると雪渓だった.現在地はGPS高度で1440m付近.出来ればこの右岸枝尾根に登りたい所だが、急な斜面に残雪でちょっと(登るのが)ためらわれた.かたや、左岸尾根は南向斜面で残雪は全くない.腰高の笹がある程度.よく見ると、鹿道もある様だ.


滑に足をおけません 滑るのなんの、、、


赤い沢床の枝沢出合 右斜面から流れ込んでました 13:20


枝尾根に向かって 薄い鹿道を登ります


疲れて立ち止まり振り向くと、沢上流を雪渓が覆っているのが見えます


笹藪の枝尾根も鹿道を追って登ります 1500m付近


鹿道の無い針葉樹林帯では残雪を選んで進みます
 1500m付近の尾根に着きかなりの笹藪漕ぎを覚悟していたが、針葉樹林帯に入るまで概ね鹿道を追う事が出来た.樹林帯の中には結構残雪もある.雪の上を歩くのは楽で良いが雪が切れる端っこの方は薄いから必ず踏み抜く.これは、結構疲れる.登山道に近くなると笹藪の登りだ.雪が消えたばかりらしく笹は寝ている.当然斜面降りに向かって寝ている訳だから、その上を歩くとなると滑って大変だった.これで、更に体力を消耗する.疲れて足に来る頃、登山道に出た時は本当にホッとした.あそこで汲んで来た水の美味しい事.二口飲んで休み、もう一口飲んだ.

 ヘルメットをザックにしまいダニが着いてないか確認するが、幸い一匹もいなかった.上からラジオを鳴らし一人ハイカーが下りてきた.遅い時間だからもう誰もいないだろうと思っていたので、ちょっとビックリ.挨拶だけ交わす.さて、此処から釈迦ヶ岳山頂までは急斜面の登りになる.登山道とはいえ、結構応えた.ヘロヘロになって山頂に着きザックを下ろして座り込み、又、水を飲む.ふ〜生き返った気分だ.紀州梅ぼし入りおにぎりを食べて若干の体力回復(するかな〜?).


上に稜線が見えますが中々着きません.寝ている笹の上を歩くのは滑るし、笹の中は胸丈の藪漕ぎになります


(右から)登山道に出ました1640m付近 14:15


標識を見ると安心します


しかし、登山道は急で・・・


ヘロヘロになって 山頂到着です 14:50


何を瞑想中なんでしょ


鶏頂山


薄黒い雲が空を覆う西側 中央に見えるポコポコに下りていきます


 頂上から望む光景はガスこそかかってないものの霞んでいる.まあ、こんな時間だからしょうがないか.東側は何だか薄黒い雲の様.上空から西側は快晴.下山はもしかしたら雨に降られるかも知れないから、カッパを一番上に詰めザックカバーをつけた.歩いてすぐ残雪がありその上にわりと新しい靴跡が下りていた.分岐に指導標らしき丸柱が倒れている.方向を示す物は何もなかったが、左へ行けば守子への道だ.概ね仮払いがされていてとても歩き易い.鶏頂山や剣が峰からの道より遙かに歩き易い.登山初級者も安心して登山出来る道だが・・・知名度はどうだろうか.降られると思った雨は降らず、空は(ここの上では)晴れている.が、前山手前で右手下界で雷が鳴り響き驚く.更に5回程鳴って鳴り止んだ.

 標高1000m-1100m近辺の権現沢側斜面ではアカヤシオが沢山あり、そこそこ咲いていた.蕾もかなりあるので旬はもう2−3日先かも知れない.道脇の守子神社を見物.一人のハイカーに出会うこともなくのんびりと下山した.(帰路玉生の街は雨が降った様で道路がばっちり濡れていた) ヘッデン覚悟だったが、何とか明るい内に戻る事が出来た. 
  登山口着 17:10


さあ、下山にかかりましょう 下りた様な靴跡がありました 一人かな? 15:05


中岳への分岐を左(守子)へ向かいます


中岳ですよ、えらいとんがってますね 左は西平岳


細いダケカンバ林の中に道はあります


良く刈り払われた道です


池も見えましたが、寄る気力はありません


守子神社です 16:45 






 Photo Nikon P7800 

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当レポは
写真撮影だったり適当に歩いたりで、時間やルートは参考になりません.
仮に当レポを見て行かれる場合は予め情報を収集していただき、計画を
充分に立ててから実行して下さい.