◇滝見◇

日光市(野門)
大事沢(おおごとさわ)


                  



2015年 5月 3 日 訪問

爺 & yuki
(時間やルートは参考にしない事)
              
  大事沢の上流には滝マークが1個だけある.地形図を見ると(河川の)鬼怒川との出合から相当奥である.この(仮)大事沢大滝を少し前に、 Yoshiさん と ハードルの高い滝巡りをしている matsu さんが訪れている.どちらも太郎山麓の寒沢宿を得て枝尾根を下降し滝前に出ている.そこで(何の脈路もないけど・・・)、下から遡行してみる事にした.(※寒沢宿近辺はこの時期残雪が多く難儀するだろう、等も一応考慮)

 地形図で見ても沢幅が広く、大きな堰堤が幾つかありこの堰堤越えが核心かも知れない(笑) 更に、滝マークに近づくにつれて、崖、薙マークが多くなり何らかの理由で高巻きが必要になった時は、困難が予想される.ま、しかし 出掛ける前から悩んでいてもしょうがない.捕らぬタヌキの皮算用と言うでしょ.え!意味が違うの(笑)

 下からの遡行記録は、岡田さんの昭和56年記事だ.それによると、吊り橋(今もある鉄製の歩道橋か)から堰堤は2ヶ所.滝迄2時間45分とある.時間を比較する事なんて恐れ多いからもっと多く見積もらなければならない.更に高巻きとかいろいろ大変だったら、ピストンせずに右岸の富士見林道へ登り出る事にする.

 今は営業していない様なキャンプ場脇を通り河原に下りるとすぐに丸い鉄管ダム(っていうのか?_) がありその向こうにコンクリート製の大きな堰堤がある.右岸を見ると工事用道路と思しきものがあり、yuki が「あれなら向うの堰堤も一緒に巻く事が出来るかも知れないぞ」 と、提案.従順な爺はすぐにオッケ.が、何の事はない、鉄管ダムのすぐ上流で道は消えていた.鉄管ダムを摺り抜ければものの1分で済むのに、ハナから時間潰しをやりやがったなオイ!


野門トンネルを過ぎた空き地へPしてGO 7:25


河原に下りました


キャンプ場 今はやってないようです


鉄管ダム(正式名称は?)


おおっ道が って喜んだのも束の間、上がった所ですぐ終わり


でかい堰堤ですな〜〜 右斜面を巻かなくても上段右側にステップがあったんですがね


左岸斜面を登ります(爺だけ)


ず〜〜っと上を巻いてきました(爺だけ) 8:10  あ〜疲れた・・・
 次は、2段の大きな堰堤.見る限り簡単に巻けそうにない.眺めたり撮影したりしている間にyukiは何処かへ見えなくなってしまった.呼んでも返事がない.高巻いて上の方か? オラは右側の(枝尾根)急斜面に取り付き、何とかかんとか上段の高さまで登ったが、枝尾根との間にルンゼの様な空間があり上段スラブに移れない.更に登ったら機械基礎の様なコンクリートの塊まで登らされてしまった.回り込んで少し下りたら、yuki が下でオイデオイデをしている.へ? 早いな. 冷や汗をかきながら堰堤上流に降り立ち 「巻くのが早いなおまえ」と聞いたら、「上段の脇に階段があったよ(ステップの事) 呼んだんだけどさぁ」 と涼しい顔.・・・・くくッ

 広い河原を歩いて行くと何やら滝の様な白い刀の形が見えた.まさか、こんな下流部に滝があるなんて聞いたことがない.近づくとやっぱり堰堤だった.上の方が少し崩れて見事な水の落とし方をしている.うーん、これは人口滝だ(笑). 巻きは手前左岸に踏み跡があり簡単至極.フェルト底の様な足跡が幾つかあるが魚でもいて釣り屋さんが入渓でもするんだろうか? 沢幅は相変わらず広い.これまで大きくなかった石が大きな岩になってきた.沢の水はそこそこ綺麗である.


土砂が押し出され堆積しています


広い河原です


おっ、滝・・・では、ありませんでした


見事ですね〜 ”堰堤の滝”


・・・・相変わらず広いです・・・・


で、でか〜い


2段目まで、こういうステップの造り方は良いですね


上から下流を眺めます お、良い光景じゃないですか


上段は、ちょっと高い、、、


河原に灌木の新緑があり、穏やかな渓相が続きますね
 数えて4つめの堰堤が見えてきた.3段になっていてでかい.堰堤下に2−3m四方の平たいコンクリートブロックが均等に敷かされており、暑い時は飛沫の近くで水遊びも楽しいだろう.ま、此処まで来るのに面倒くさいけどさ.各段共、右にステップが埋め込まれていて、これを登る.楽である.ただ、上段のは30段近くありやや怖い.でも、これが無かったら両岸は削られたりしてる崖だから、とんでもない高巻きを強いられる.堰堤の上に出るとこれまでと同じ様に土砂が満杯状態だ.沢幅は少し狭くなった感じがするが、それでも以前広く水流は蛇行していた.台地には背の低い灌木が密生し、新緑を飾っている.

 両側の崩壊が目立つ頃、また大きな堰堤が姿を現した.この堰堤のステップは左に付けられていた.そこへ取り付くには濡れて徒渉するか、へつってジャンプする事になる.今日は、広い河原歩きが殆どだと予想し、トレッキングシューズだ.これまではそれが正解.此処へきて、さて・・・で、ある. yuki は、あまり考えもせずへつってジャンプ.軽々とこなす(ま、若いから当然で普通(ケッ)).オラはへつるまでは良かったが、ジャンプでタイミングが合わず踝深さ程の水の中に着地.あ〜あ.



左岸・・・


これも大きいですな〜 9:10


jejejejeーッ


どの堰堤の上も、満杯


広い沢・・・明るくて良いけど、熱い
 ステップは左側に取り付けられており、1/3の下が新しいもの.上は古く、12φ位の鉄筋を加工したもの.登ったり降りたりする人の重みで下に曲がっていてやや不安.更に、これだけの高さを一直線に登るのは怖い.下を見ないで登り切り、堰堤の上に立って改めて覗き込むが・・・帰りに此処を降りるのはちょっとなー、、、の、思い.

 急峻な右岸に枝沢の滝が少し離れて2つ落ちている.細く、渇水期は涸れてしまうのかも知れない.天気が極めて良く風もあまりない.沢は広い分日陰など殆どないから岩からの照り返しもあり熱い.こういう時は沢の水の中を歩けば気持ち良いのだろうが今日はトレッキングシューズ.我慢して遡行しましょ.

 又、大きな堰堤が出て来た.まだ工事中なのか上部に資材運搬用のワイヤーが張ってある.近づいて右端、左端を見てみたがステップや階段は見あたらなかった.左岸は崖で不可、右岸はやや急だが踏み跡もあり巻けそうだ.踏み跡を登って行くと、そのルートに杭が埋め込んであり工事に利用されたのかも知れない.堰堤の上まで来ると崩壊した斜面にコンクリートが吹き付けられていて、少し太いロープが垂れ下がっていた.長く使われていないのか、ロープは古く苔が生えているところもある.「ちょっと古くて怖いね」 と、yuki 持ってきたザイルでは届かない高さだ.踏み跡は上に続いているので、そのロープは使わず上に登って行く.安全第一に限る.


又、巨大な・・・・


高巻き中


此処から下にロープが下がってました


モノレールの傍を下りていきます


大型重機がありました


最後の堰堤は上だけちょこっと 10:00


土石流センサーか何かでしょうかね


勢いの良い、4m位


がさっと崩れた様です
 ロープのある場所から十数m登ると崩壊斜面の頭を回り込める様になった.そこには作業員を運ぶモノレールが敷設されていた.かなり急斜面だが、モノレールの支柱に掴まって降りていく.これから工事が始まるのか沢の中には大型のバックホウが2台、ダンプカーが1台が”駐車”していた.道路などないから上部のワイヤークレーンでバラバラに下ろし、下で組み立てたのだろうか.そんな事を考えながらすぐ上の完全に埋まってしまった堰堤を一瞥し上流へ向かう.此処を過ぎると渓は一変しゴーロ沢になった.勢いの良い小滝も出てくる.

 両岸の崩壊が極めて激しい.遡行は最近崩れてきた様な岩屑や岩塊の上を歩くのだが、その上が崩れやすそうな壁だったりするから何とも落ち着かない.何処からかカラカラと小石の転がる音.少し離れたところで大きな音と共に土煙があがる.右に支沢を分け左に曲がると前衛の滝と共に中々大きな滝が見えてきた.


凄い規模の崩壊です(右岸)


左岸 これはおおごとですよ、 あ!で、大事沢(?)


節理状の壁を・・・


通り過ぎて振り返り、、、


カラカラ音が聞こえたり、土煙が上がったり・・・・ 数段の滝も見えました


こんな所の下を通過します 早く早くと気持ちが急かされますが・・・


4−5m程の滑滝


判り辛いですが、右から支沢が合流しています 11:45


あそこを曲がると


やっと着きました♪  12:05
 水量はどうだろうか? 初めて見たから比べようもないが Yoshiさん の時と比べ若干多い感じがする.前衛の滝には滝壺があり、水に濁りがある為綺麗な水色(表現が下手で困る) をしている.本体の壁は滑で黄色い所、黒い所、茶色い所が入り混じって水流が一部溶け込んでしまっている( Yoshiさんの感想にもありました).
 此処まで4時間半強掛かってしまった.オラの鈍足のせいもあるが、沢はやはり沢靴の方が良いと思うが、誰か見に来る人なんているんだろうか?

 
帰ってからコンデジで撮った画像と、手元にある岡田氏の遡行記録(昭和56年)の滝画像を比べてみたら、瀑心の中から上にハングした壁があったがそれは崩れ落ちてしまった様だ.前衛の滝の記述はないから、それは後から出来たものだろうか.右を登りバンドに出て滝の落ち口に出られたという事だが、落ち口(の右側)そのものが現在えぐれてしまって、形が変わっている上、バンドらしきものは崩れ落ちてしまった様だ.この滝、いつまでこの姿を維持し続けるのだろうか.


大事沢大滝 中々立派ですよ 12:05


落ち口をズームで


前衛滝壺は少し濁りがあります


右岸斜面から


さあ、帰りましょう・・・で、登ります 12:50


枝尾根はちょっと細い
 昼飯を滝前で済ませ、戻るのは止め富士見林道に出る事にした.これは予定の範囲内.滝前から登れるルートは右岸で1ヶ所.Yoshiさんが登ったルートがある.左岸だと少し下流の支沢近辺からだろうが、それだと富士見林道は大滝上横断があり随分遠くなる.右岸に苔の生えた岩が積み重なって斜面を造っているが、そこを登って枝尾根に取り付ける.ルートを見定め崩れそうな斜面は避けて枝尾根に登った.急ではあるが鹿道があり木の根に掴まって割と楽に登って行ける.岩場も出てくるが階段状なので難しくはない.沢側が崩壊したザレキ地を注意深く登ると別の枝尾根と合流し、シャクナゲの藪となった.大した濃さでもないのでそのまま突破し、針葉樹林帯に入っていくと藪は消え案外登り易い.

 急斜面から解放されたら、倒木の山が出て来て迂回したりがやや面倒くさい.左の方で yukiが ”沢があって水が流れているよ” と、呼んでいる.富士見林道の金冷泉で水は得られるが、冷たい水を飲みたいので沢に下り空近くなったペットボトルを満タンにする.


一見大変そうに見えるザレ場斜面 鹿道があり案外楽です


←から俯瞰 大滝すぐ上の滝でしょう


中々良い渓相じゃありませんか


あのピークは太郎山かな


シャクナゲ藪は僅かで終わります


倒木が沢山、迂回して登りましょう


水は美味しいですね〜(右から下りてきました、又右へ登り返します)


残雪が出てきましたよ.進路は真南


1860m付近、此処から西寄りに向かいます
 標高1800m近くなると所々残雪が出て来て避けながら進む.しかし、それも出来なくなり残雪の上を歩くが雪が柔らかく時々踏み抜いて、そこから姿勢を正すのに結構疲れるから難儀だ.1860m付近の平らな所に出てから西向きに歩き1875m付近の林道に出た.道には残雪があり、無くなるまで踏み抜きの格闘が続いた.金冷泉の水場は判らなかった.まだかまだかと注意して歩いたのだが、気が付いたらもう祠に着いてしまっていた.山の神様に手を合わせ、布引滝分岐で休憩.笹の上に腰をおろしたyukiに小さなダニ1匹.滝を遠望していたら、下から青年が上がってきた.滝へ行って来たらしく遊歩道が大変だったと言っていた.

 時々ショートカットしながら舗装林道を歩き、家康の湯から旧遊歩道を通り大事沢に架かる鉄製の吊り橋を渡って駐車地に着いたのは17:45分だった.やれやれ、、、疲れた.

 覚悟はしていたが・・・今回のレポは滝は少しで、殆ど堰堤越レポになってしまった.変なの、、、


左から富士見林道に出ました(向が野門方面) が、残雪で一杯 14:35


雪がないとやっぱり楽です


展望台から布引滝


栗山東照宮 17:20


歩道跡 所々崩れていました


大事沢が見えてきました


しっかりした橋です(渡ってから)
 Photo Nikon P7800 

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当レポは
写真撮影だったり適当に歩いたりで、時間やルートは参考になりません.
仮に当レポを見て行かれる場合は予め情報を収集していただき、計画を
充分に立ててから実行して下さい.