滝見

日光市(野門)
上タケ沢




                  



2017,2,11 訪問


(時間やルートは参考にしない事)
              
 昨年1月に訪れた時は雪が全くなく、ゴルジュ入り口左岸の浸み滝が氷柱を造っていた.高さがあるので、周囲に雪がなくても素晴らしい光景だった.ただ、本流の25m滝は滝下が僅かに凍っているだけで、今少し物足りなかった.(滝としては見応え充分だけど・・・)

 では、厳冬期 つまり雪が多い時はどういう光景になってるだろうか.本流の滝はもう少し凍り付いているのだろうか? 確認したいものだが、積雪が多いとそれだけでかなり難儀ではある.装備もロクにないし.

 スノーシューを買ってしまった.としょりが思い込むとこれだから怖い.フトコロには寒波が・・・

 2月6日に入り口や駐車場所の偵察にでかけた.野門橋に着いても道路上に雪はなかった.ただ、その辺りになると除雪された雪が多く積み上がり、駐車場所がみつからない.一番近い所で、最初のスノーシェッドを過ぎてすぐ左側の空き地に駐められそう.が、此処からだと少し歩く様になる. 仕方ないか・・・

 2月11日、宇都宮の気温は−5度.結構寒い.川治を過ぎて、道路上に雪が出て来た.この2,3日で降った様だ.新雪が多いと辛くなる、、そんな思いが頭をよぎる.ま、行ってみて駄目なら戻ればいいのだから.




蛇王の滝(2月6日)



スノーシェッドの近くで駐車


樹林の中を下降


野門沢出合い近くを徒渉
 駐車場所から歩き始め、左下に鬼怒川を見て水が少なさそうだから徒渉できそうではある.が、徒渉不可であれば、そこから戻らなければならない.それでなくとも駐車場所から、無雪期の駐車スペースまで25分位のアルバイトになる.帰りなら、水に濡れても僅かな道程だから構わないと思うけど.因みに、今日は、駐車場所からスパ長.徒渉して急斜面の取り付きから他山靴+チェーンスパイク.ザックにはしばらくの間使用しない、新品のスノーシューをくくりつけてある.当然のことながら重い.

 三脚は軽いバサルトを久々に持ち出す.これだと、200mmズームは使えないから18−35mmの広角ズームを代わりに持っていく.非常用にはお助けザイル20mで、ハーネスとかは持っていかない.

 野門沢の徒渉は水が多く、スパ長をあと5cm位で越えそうだった.取り付きまでは、雪の中に鹿の足跡が続き、それが案外固く歩行は概ね楽だった.斜面の下でぶら下げてきた登山靴に履き替え、チェーンスパイクとスパッツをつけてスパ長は此処にデポ.

 此処の急斜面に鹿の足跡はない.それ程多く積もってる訳ではないが、急斜面だから沈むと膝までくる.無雪期なら(旧作業道)踏み跡がある所まで登れば傾斜は緩む.が、その踏み跡までが辛く長く感じた.バテテ帰るなら此処からだったら楽だろう・・・と、思った程(笑)




登りで疲れ、振り向くと鬼怒川の水がかなり少ない.これなら、徒渉出来るかも・・・



此処から樹林の作業道


(ミニゴルジュは)奥に見える左の岩場をよじ登る.
 ヒーヒー言いながら旧作業道が尾根を回り込む所に出ると、その先は誰かが歩いたのではないかと思われる程、鹿の足跡で”道”が出来ていた.これで、楽になり疲れもとれてくる気分.沢の下降点は下り一辺倒だからこれも楽.帰りの為に、歩幅を狭くし気持ち固める様に下りて行く.深沢の徒渉も全く問題なし.ただ、ミニゴルジュを巻く為の斜面は雪が吹き溜まっているのか、深くてちょっと難儀しそうだったから少し上流へ行き、岩場を登って上の台地に出た.此処からは少し雪が多くゆっくり歩きになる.

 ズルズルルンゼは、プチ雪崩っぽい跡があってその斜面が固く、チェーンスパイクが効き登り易かった.尾根を乗っ越し堰堤上の河原に下りる所は根っこ等の手掛かりが全て隠れ、滑落もどきの滑り降りを敢行.雪のある季節だから出来る技だな〜.へ? 帰りはどうしよう・・・ (根っこを掘り出して登ってきました)

 此処で、スノーシューを装備.何本かのベルトで締める・・とかいうのではなく、前を1本、後ろを1本のやや長いゴムベルトでグルグル巻きにするというもの.大丈夫か、これ?(最後まで緩むことなく全く外れなかった) 雪の上をちょっと歩いてみる.おお〜 快適. 調子に乗ってスイスイ歩いたらシューにシューを引っ掛けて思いっきりすっころんだ.慣れが必要だなあ.

 スノーシューは今回でまだ2度目.数年前に庵滝オフ(レポなし)でなんちゃんに借りて以来.



堰堤下の徒渉場所


堰堤巻きのズルズルルンゼ


左奥が下タケ沢


上タケ沢に下りて上流を見る
 二俣の下タケ沢出合い滝も凍った姿は中々綺麗ではある(過去の画像)が、寄り道してる暇はない.此処まででも時間がかかっているのだ.出掛けにヘッデンの転倒試験は済ませているのと、此処での帰りは暗くなってしまうのが多い(無計画性もあるのだけど・・).出来れば、足元の明るい内に帰りたい.従って出合い滝は惜しいけどスルー.帰りに時間があったら寄ってみましょう、、なんて、考えない.時間などある筈がないのだから.

 さて、上タケ沢はゴルジュ入り口まで勾配がそれ程でない.開けた河原に積雪が多ければ、むしろ(スノーシューで)歩き易い(と、思っていた) 初めのうちは右岸、左岸の平らな場所を選んで小気味よく進む.快適.スノーシューのありがたみが身に浸みる.

 しかし、沢が狭まってくると何度も徒渉余儀なくされる.流れの上に雪が積もりブリッジになっている所を、そろそろと渡るのだけど、まだそれ程固くないから崩れて流れに落下.幸いな事に深くないのが救いで濡れる事はなかったが. 埋まっている岩と岩の間や、枯れ木の脇に雪を踏み抜いたのも数度.腰近くまで潜り抜け出すのに苦労した所もあった.そんなこんなでゴルジュ入り口迄、出合いから2時間近くもかかってしまった.



左岸を歩いてきて振り返る.この辺りは快適




落ちた!



ゴルジュ入り口が見えてきました


氷柱が碧いです



デジ一


 時間はお昼過ぎ.コンビニでおにぎりを買って暖めてもらい、暖かい缶コーヒーと”貼らない使い捨てカイロ”を一緒に保温バッグに入れてきたので、まだ案外暖かい.でも、食べてるうちにすぐ冷たくなってしまう.ジッとしてても寒いからすぐ撮影に入る.手袋を外さないとリモコンが操作し辛いのでシャッターを切る時だけ手袋を脱ぐけどすぐに冷たくなってしまう.

 表面が凍り内部に水を落としている右岸30m滝前にザックを置き、三脚には石突にシューを着ける.これ、案外使えるアクセサリーだ.買って随分になるが、ゴム部分の劣化もない.今はイタリアの会社に吸収された(らしい)とはいえ、頑固なフランス製.三脚を含め少々高いけど買って損だと思った事はない.

 だからといって、写真が上手く撮れるとは限らないのが・・・ ・・・ ・・・ 悲しい(笑)




右岸30m滝


 左岸の壁に落ちる浸み滝は、昨年の時より太い感じがした.碧い氷も多い.やはり、厳冬期ならではである.移動しながらダメ画像量産に励んでいると、突然滝上から強烈な風とそれに乗って地吹雪縦判が吹き付けてきた.その地吹雪縦判の中、3枚シャッターを切って4枚目は溜まらず両腕で頭全体を覆い飛ばされない様に三脚を掴んでしゃがみ込んだ.あああ、カメラは向きだし! 本体は問題なかったけどレンズのフイルターに粉雪がビッシリ着いてしまった.クロスで少し拭いたけど今度は濡れてダメ.フイルターを外そうと思ったが、何故か回らない.そのレンズは止めて、広角ズームに交換し、その後はこれ1本で済ます事にした.




デジ一




雪が強風にのって吹き付けてきた




少し上流の浸み滝






 本流の25m滝前にはスノーシューを着けたままで楽に上がる事が出来た.周囲はハング気味の節理壁で、あれが落ちてくるのではないかといつもヒヤヒヤしながらこの下に位置取る.今日、雪の上に落石の跡はなく純白の綺麗な斜面だった.だから安心という訳ではないけど、いつもより長い時間そこにいた様な気がする.そうこうしてるうちに今度はリモコンの電池が切れた様だ.ザックまで戻って又来るなんてメンド臭いし時間もない.電気式は防寒対策が必要な事を、こないだの雲竜で経験したばかりなのに、学習能力のなさを此処でも発揮.

 帰りは、スノーシューに慣れた事もあって早かった.堰堤迄約1時間.スノーシューをチェーンスパイクに替え、スピードは落ちたけど、往路のトレースでこれも楽.急斜面はお助けザイルを使用し鬼怒川河原に下りてスパ長に履き替え、浅い所を選んで徒渉.野門沢徒渉より楽だった.河原の雪は固く沈まない.二つ目のスノーシェッドの近くで車道に出、ヘッデンなしで車に戻る事が出来た.




前衛滝を入れて、本流25m滝




左岸




デジ一  25m滝と左のハング壁




デジ一

”デジ一” と表記のある画像以外は → Photo Nikon P7800 二代目 

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当レポは
写真撮影だったり適当に歩いたりで、時間やルートは参考になりません.
仮に当レポを見て行かれる場合は予め情報を収集していただき、計画を
充分に立ててから実行して下さい.