◇滝見◇

秋田県仙北市(田沢湖)
中ノ滝、二天ノ滝




                  



2005,10,15 訪問

渡辺さん、のじやん、あっきーさん&爺
(時間やルートは参考にしない事)
              
 まれながらのおっちょこちょいは死ぬまで治らない気がする.爺はオフの前日に実家の秋田に出発するのだが、その日の午前中に仕事をし、正午あたふたと準備もそこそこに東北道に乗った.明日の天気も今日の様に晴れると良いのだが等と思いながら、集合地点を記した地図を忘れた事に気が付いたのは仙台を過ぎた辺りだった.戻るに戻れないし、なーに、東京と違いあっちは行けば簡単に判るだろう..と、タカくくってそのまま実家へ.その晩外は雨が降っていたが、久々に長兄と呑む酒が美味しかった.

 
屋根に当たる雨の音(爺の実家はトタン屋根)で目が覚めたのは午前3時半.少しうとうとしたが、午前4時半に実家を出た.雨が降る国道は所々街灯があるとはいえ車のライトも光が通らず暗い.擦れ違う車も殆どない.西木村で田沢湖に抜けた.以前来た時(20年以上前か?)より立派な道路になっている.田沢湖(のT地路)に着いたのが丁度6時.辺りは、雨のせいかまだ薄暗い.時間も早いし、タツコの像を拝んで行くか、と右折.うん、この像は変わってない(当たり前か(^^; ) 一瞥し、集合点へと車をUターンさせた.

 「ここからが間違い&勘違い」 頭で地図は覚えていた(筈だった).トンネルを過ぎて大きな橋(湯淵橋)があった.すぐに林道入り口があったが、これは通行止めだから橋を渡ったところの林道入り口で良い訳だ =全然良くない=  橋を渡ると、湯淵沢の標識があった.6:20分、ちょっと早いから入溪点を偵察してきた.舗装はされていないが、乗用車では底がつきそうな2ヶ所ばかり荒れている所がある程度で通行に問題はなかった.集合地点(と思っていた所)に戻ったが、誰もいない.この間に朝飯を済ませた.7時を過ぎた.15分過ぎた.少し心配になってきた.30分過ぎた.それから更に15分過ぎた.おかしい? 集合地点を間違えたか?(当たり!) 確か”ダム”付近とも言ってたから・・・.ダム管理事務所のある公園か? そこへ行ってみたが、やはりいない. ダム下公園っつーのもあったな. うーむ、此処は道路から離れているから違うだろう.いよいよ不安になってきた.爺のauは圏外だし.ううう、どうしよう.そうこうしている内に、予定時間から既に1時間半も経っていた.


タツコ像 後ろは田沢湖 丸い光は雨粒


見えるのは湯渕橋、右が湯渕沢


湯渕沢を遡行していきます
 どこかで間違っていたら(間違っていたんだけど)、彼らはもう出発しているだろう.此処は、爺一人だけでも中の滝へ行こうと、悲壮な決意(どこがじゃ)をして林道に車を走らせた.途中沢、方面からくる林道に車(タイヤ)の跡があり奥へと続いていた.爺のものとは違う様だ.この道はどこから来るんだろうか?と、思いながら先へ行くと、少しの空き地の所で何と三人が今にも歩き出す寸前だった.ホッとした.土下座(ウソ)して誤ったのは言うまでもない.遅れの代償打ち合わせは後にして(ウソ)、そそくさと身支度し出発した.この頃、降っていた雨は小雨になっていた.

 入溪し、しばらくはハッキリした踏み後や林道跡があり起伏もなく歩き易い.気持ちの良いブナの多い林内で、おっ、キノコとかマタタビだあ〜とか言いながら結構楽しい.しばらく歩いてのじやんが、まだ50m上っただけだよ〜と言っていた.成る程、沢はほぼフラット.小さな流れの所で誰かが騒いだ.「イワナだ、イワナだ!」 背びれが出るような小さな流れに形の良いイワナが数匹バシャバシャしている. 産卵だね、そっとしときましょう のじやんが言っていたので
泳ぎ逃げ回るのを見るだけにした.それにしても、こういう光景は初めて見た.

 踏み後は沢が分かれている所を右に付いていた.そこを少し入った所で、渡辺さんが 「こっちは違う沢で、少し行った所を尾根を回りこんだんだけど」 との言葉に、取り敢えず一旦尾根裾を上って下りる事にしたが、此処で渡辺さんは枯葉の堆積した急斜面を5m位一気に滑り降りた.うーむ、凄い.飛ぶ様な勢いだ、等と感心してたら 「落ちたんだよ!」 


中の滝 60mあるそうです
 やがて、「中の滝」に到着した.見上げる高さから、多くの水を落としている.概ね3段になっていて、上から10m辺りでは大きく跳ねている.ヒョングリ好きには溜まらないだろう.此処にも確か一人いたな(笑) 紅葉もまずまずだ.正面に立つと小雨を切り裂くように飛沫を吹き付けてくる.凄い滝だと思った.上流に二天の滝があるばっかりに前座の様な見方扱い方をされている(気がする) これだけを撮影目的にきても充分満足出来るとは思うのだが・・・
 この滝は取り敢えず帰りに撮る事にして上を目指す事にした.まず、のじやんが滝すぐ横の左岸(泥付き急斜面)に取り付いた.残り3人はやや下流の少し傾斜の緩い斜面をよじ登り、下から見ると楽そうな尾根に取り付き高巻く事にした.

  あっきーさんを先頭に藪に突入する.ところが、登れど登れど尾根に届かない.「これは、どんどん上に追いやられてますね」 とあっきーさん.そこで、何とかトラバース出来そうな藪の少ない所を探し先へと進んだ.次の尾根に着いたが正面に見えるスラブはトラバース出来そうにない.目を凝らすと踏み後が下に続いていた.樹間から滝の中段も見えて綺麗だが観賞している余裕はない.この斜面かなり急だが降りて行くしかない.いい加減降りて、傾斜が緩やかになったところで踏み後はトラバースする様に続いていた.岩溝状の小沢を横断し、カエデやツツジの低木が煩い場所から、踏み後を追い再び急斜面を登る.かなり登って又降りる.これにはかなりヘロヘロになってしまった.沢に下り立ち一息ついて、「帰りにこの急斜面は登りたくないですね」 と、渡辺さん.「そうですね」 と、爺.うんうんと頷いているあっきーさん.汗を拭いて顔を見合わせお互いに笑いを返した.



高巻き途中から見る 「中の滝」 中段


急斜面を下降中
 滝の落ち口に降りるとそこそこの小滝があった.これ、道路の近くにあれば名前の付いた滝になったろうに・・・不運だね.と、言いながら又3人笑った.のじやんはもういない.もうとっくに先を歩いている事だろう.小滝を越えると沢は平凡になり、雨も殆ど止んでいた.のじやんは少し上流の岩の上でニコニコしながら待っていた.

 天気が良ければ、沢は明るいU字谷だ.岩の滑るのを気をつければ特に困難はない.紅葉もなかなか綺麗である.普通の所を歩いていても速さが違うのに、苦手なゴーロでは桁違いに差が付いていく.それなのに、爺は花だキノコだ紅葉だと一人コンデジ三昧しているから、気が付いた時に2人の姿はもう見えない.追えども追えども追いつかない.いい加減来た所で、向こうに何か動くものが.すわっ、熊か狸かオオカミか.これで一巻の終わりかッ.・・・・・・・「あと10分で滝だぞッ 寒くて待ちきれなく迎えにきたよ〜」 マシラの、のじやんだった.


「中の滝」 落ち口


すぐ上の小滝


紅葉が綺麗なU字渓 天気が悪くくすみがちだけど・・・


渓は徐々に狭まってきます


おおお〜 ナラタケではないですか 美味しそう♪ (今回は見るだけ)


ナタメがありましたよ


木の間から滝が見えてきました.大きいです!
 昨年見る事が出来なかった「二天の滝」の正面に着いたら既にあっきーさん、渡辺さんが写真を撮りまくっている.爺も三脚を出して撮影する事にした.滝は、何とも言えない形をしている.60m上空から落ちてくる水しぶきも凄まじい.右岸左岸の紅葉も綺麗である.日差しこそないが、雨も完全に止み撮影に支障はない.時間があれば、長い時間を黙って座って眺めていたいほどだ(爺だろ、散々時間を潰しやがって=スミマセン).昼飯代わりのパンを口に運びながら、カメラを持って岩の上を移動する.あっきーさんが左岸の滝下へ行った.渡辺さんは、右岸の滝下へ行って撮っている.あまり動かないから段々寒くなってきた.のじやんは、右岸滝直下で何やら怪しげな行動をとっている.
 この次、晴れている時、訪れる事が出来るだろうか.

 帰路、相変わらず彼らは速い.のじやんの無駄のない動き、渡辺さんの的確な足運び、あっきーさんは深みだろうが何処だろうが最短距離をバシバシ.二天の滝から半分程きた辺りで、沢の中の大石に左足を置いた途端その石が左に傾いた.右肩からザブッと半分水の中.夏なら気持ちが良いだろうが、冷たかった〜.幸いな事にウエストポーチのデジカメは大丈夫だった.聞いたらあっきーさんもどっかで水没したらしい(笑).デジカメが濡れて調子が悪いと言っていた


二天の滝 60mあるそうです 幅が広く、水量も多い 此処まで飛沫が飛んできます
 中の滝の大高巻きをした場所では、のじやんが登ってきたルートを降りる事にした.ブッシュの急斜面をトラバース気味に下りて行くのだが、驚いた事に我々が通った筋を一部通っていた.こちらの方が遙かに楽だったろう.誘導してくれたのじやんに感謝である.この時、小さな鞍部になっている所から見る中の滝の中段は、紅葉に彩られ麗しかった.

 車での帰路、林道の途中二俣を右に入って行く渡辺さんの車を見て、爺の来た方とは違う事に気が付いた.しばらく走って、集合場所を完全に間違っていた事を今になってやっと理解したのである.雨が強くなりだした午後5時半過ぎ、帰りにどこかで食事をしていく事になり、田沢湖駅まで行ったが食堂はやってなかった.残念だけど、此処で解散し二つの素晴らしい大滝の余韻を噛みしめながら暗い暗い国道を走って実家に帰った.

 企画してくれた渡辺さん、細かく気を遣っていただいたのじやん、いつも明るさを忘れないあっきーさん、 皆さんのお陰で昨年行けなかった「二天の滝」リベンジ出来ました.又、それに勝るとも劣らない「中の滝」全身を眺められた事も嬉しかったです.ありがとうございました.又、どこかへご一緒して下さい.


「中の滝」 落ち口近くまで戻ってきました


この笑顔が見たいから、又会いたい
フィルム版もみてください    Photo pentax Optio S5z 

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当レポは
写真撮影だったり適当に歩いたりで、時間やルートは参考になりません.
仮に当レポを見て行かれる場合は予め情報を収集していただき、計画を
充分に立ててから実行して下さい.