◇滝見◇

福島県西郷村

阿武隈川本谷赤滝


                  COOLPIX S6400



2013年 10月 14日 訪問


(時間やルートは参考にしない事)
              
 滝仲間の あっきーさん が、数年前の秋遅く阿武隈川本谷を遡行したそのレポを見た時、一つの滝の姿がとても印象に残った.彼の写真撮影の腕もさることながら、その姿は(私の場合だが)他では見た事がない程全く変わっていた.それ以来、この目で見て写真を撮ってみたいと、ずーーっとコイ焦がれていたがほんの少しの間涸れ頭の中から散らかってしまっていた.そんな時、魔法使いさんが最近訪れてきたという記録がupされた.焼け木杭に火がついたのは至極当然(笑)

 阿武隈川本谷(地形図では本沢)は何となく(遡行が)大変じゃないかなというイメージが付きまとい、延び延びになってしまっていた.栃木でも行きたい所がまだまだあるし、、、 でも行くならまだ少しは歩けるうちにと 何とか、スケジュールを調整し(って手帳は真っ白じゃないのか・・・)出掛ける事にした.久々に心が躍る.

 キョロロン村近くのパーキングで朝飯(今日は”どん兵衛の天ぷらソバ)を食べ、甲子道路の安心坂トンネルを過ぎて甲子温泉に向かう道路へ下りる.甲子トンネルに通じる大きな橋を上に見て、3台程置けるスペースに車を駐め、支度をして歩き始めた.もう使われなくなり所々荒れた林道を通り、堰堤の上に出て沢に下りた.そこからは主に右岸のしっかりした踏み後を歩いて行くが、多くのリボンやロープがあり安心.

 
※ 今回、撮影が主な目的なので個々の時間記入はありません.


大きな橋の下をくぐって・・・



林道跡から沢に下降する
見えるロープは設置されているもの


堰堤上は広く穏やか


徐々に沢幅が狭まってくる


ナラタケの群生、裏までギッシリ・・・凄い!


奥に「雌滝」


赤リボンがルート誘導


「雌滝」に到着
 暫くは沢も平凡で足を濡らさずに歩いていけるが、谷は徐々に狭まってくる.へつる場所でも乾いた岩肌にアクアステルスは全く滑らず気持ちが良い.出る時(車の温度計で)6度で寒かったが今は丁度良い.汗もかかずに気分良く遡行が続けられた.木々は若干色づき始めているが紅葉にはまだ早かった様だ.沢には倒木が多くツキヨタケ(腐っていた)やサワモダシ(ナラタケ)などが沢山見る事が出来た.

 沢が極端に狭くなり、流れが絞られて急流(小滝)になっている奥の方に滝がみえた.「雌滝」は10m程.ハングした壁を勢いよく水を落としている.滝壺は広い.三脚を出して少し時間をかけて撮影を楽しんだ.さて、此処から沢遡行は出来ず高巻きに入るが右岸(涸れ滑滝か?)にクサリが下りている.足掛かりがあるので注意して登れば大丈夫だが岩は湿ってヌメリが多い.靴底で少し岩肌をこすってやると滑らないから、時間が掛かるがそうして慎重に登って行く.

 涸れ沢から尾根に上がり急斜面を少し登ると踏み後はトラバースしていた.しっかりした踏み後にロープが設置されているのでこれも安心して通る事が出来る.枝尾根の中の分岐から踏み後を辿って沢に下降すると、結構落差がある雄滝が見えた.まっすぐ落ちている直瀑である.この時期だから水は普段より少なめだと思うが、正面は飛沫がかかってくる.周囲はそそり立つ壁に囲まれ、その上には紅葉が今始まった様な木々が光景に味を添えている(うーーん、つべこべ表現は難しい(笑)) 小腹が空いたので、乾いた平らな岩を選んで座りおやつタイム.ついでに、GPSで確認すると本谷(本沢)の滝マークはこの雄滝の様だ.


深い碧の滝壺、、綺麗な雌滝は10mとちょっと位


高巻きの途中から俯瞰


滑滝をクサリ頼りに登って・・・


トラバースし、隣の尾根に・・・


分岐を過ぎて下降、ロープがきっちり設置されてる


「雄滝」 50mだそうです


周囲は絶壁
 時間をかけた雄滝撮影を終わり、分岐迄登り返しそのまま尾根を登っていくが、この尾根が急斜面.一部垂直な部分があったりするが、分岐からはロープ等は設置されていない.雄滝までは見学者が多く訪れるからなのだろうか? それとも、雄滝からは険しさが更に増すのだろうか.少し心配をしながら急斜面を克服していく.(因みに帰路はザイルで下降した←なしでも下りられると思うが安全で確実) 右に底が見えない凄いルンゼが見える所でそのルンゼに向かってやや登り気味にトラバースしていく様に踏み後は続いていた.この斜面は灌木が少なく転んだらルンゼに吸い込まれ何処まで落ちていくか判らない.さすがに此処にはロープがあった.

 此処で、問題発生.ロープに掴まってルンゼをコンデジで撮っていたら何と電池残量がないと警告表示.それ程沢山撮った覚えはないのに・・・ 仕方がない、撮影は控えよう(よって、鞍部から上流の沢など行程を撮れなくなったのは残念) トラバースを終えるとルンゼの頭になり木の根が多少あるとはいえ急なザレ場.落ちたら縦に置いたソーメン流しのソーメンになってしまう.後で地図を見るとこのルンゼは170−180m近い落差(?)だった.


雄滝高巻き中に旭岳を遠望


ルンゼに向かってトラバース


ルンゼを見下ろす.此処で電池残量無しの警告


天狗滝(支沢)


赤滝(赤滝沢)


霧降滝(本流)
 鞍部に登り着くと踏み後は尾根と斜面を下り気味に二方向ついていた.此処は(レポ通り)下るのだが、その前に尾根に向かってついている踏み後を辿ってみた.が、尾根のピークに上がってすぐに藪に消えている.戻って下り気味についている踏み後は所々薄いが、テープもあり問題なく下降していく事が出来る.左下方向樹林越しに見えるのは天狗滝だろう.踏み後をトレースして下りた所は天狗滝の少し下流で、本流からは5−60m程離れている.天狗滝も落差があり素晴らしい.フイルムは昨日買ってきたので充分な枚数が撮影できる.コンデジは一枚の撮影だけにしておいたが、警告は出なかった.

 本流の小滝を二つ見て遡行していくと、左に涸れ沢を見て僅かで今日の最終目的である「赤滝」が見えてきた.主に右岸寄りに遡行してきた為、自然とこっちへ来てしまったが、赤滝は本流ではなく支沢だ.滝の落ち口は見えず、背骨の様な岩の後ろから捻って流れ落ちている.滝と対峙する様に岩に座り、持ってきた缶コーヒーとサンドイッチ(最近はこればっか)で昼食.ゆっくりと撮影時間をとり、本流の霧降滝を撮って満足気分を土産に帰途に着いた.7:00出発し、15:30分帰着、良い天気に恵まれた一日だった.



赤滝 溜息が出てしまいますね〜♪

当レポは
写真撮影だったり適当に歩いたりで、時間やルートは参考になりません.
仮に当レポを見て行かれる場合は予め情報を収集していただき、計画を
充分に立ててから実行して下さい.