◇山登り◇

岩手県
早池峰山
はやちねさん:1917m
中岳:1678.8m
鶏頭山:1444.7m


                  



2014年 10月 17日 訪問


(時間やルートは参考にしない事)
              
  9月中旬、クラス会をやるぞーっという案内ハガキが舞い降りてきた.
 学んだ(遊んだ、いたずらした)小中学校は、住んでいた町の南地区.人口は東、北、西地区に比べて少ないが当時の小学生は私の年代が最も多かった.クラスは(4地区の中学が統合になるまで)2クラスあり、それぞれ36人程.多いとは言え、他から比べたらかなり小規模.だから、両クラスの交流も結構密で70人と少しの級友の名前は殆ど知っている(危なげな記憶だけど・・・).

 クラス会は3−4年毎に開かれ、私が出た最近というと2006年だから8年前の事.段取り日取りは田舎にいる親友達が事務局を設け、決めているのだが連絡やら諸々の手配やらで何かと世話をかけている.一所懸命な彼等に報いるのはただ一つ、参加する事だ(と、思っている) 仕事の関係で中々出席出来なかったが、その仕事を3分の1にしてしまった今、断る理由は何もない.クラス会があればその様子や参加者の集合写真を必ず送ってくれていた.3年前に実行したというクラス会の集合写真見て、顔を覚え名前と一致する様に何度も記憶をしておいたが、実際会ってすぐ判るだろうか、、、やや不安(笑).

 
クラス会へ出席するのに帰省するのだから、丁度良いそっち(秋田とか)の山にでも登って来ようかとついでを計画.ただ、この季節だと花の季節ではないし、今年はやや早い紅葉は期待出来ないだろうから、”登山”を楽しめれば良い.秋田駒ヶ岳とか森吉山とか・・・ 18日がクラス会だから、登るのは17日に決定だろう.仕事を縮小したといってもいろいろあるし、5日も6日も休みをとるのは今回ちょっと無理だ.

 こうなると、気になるのは天気予報.台風18号が去った数日後、東北(の北)はあまり良くなさそう.秋田とか日本海側はことさら荒れそうなので、岩手の早池峰山にでも行ってみようか.歩くコースは早池峰山から鶏頭山へと縦走してみよう.


中々良い滝なんだけど今回はパス 4:45


本流にあるみたいだから音だけ(笑)


少し明るくなってきた頃 5:30


枝沢「清廉の滝」 落差は・・・


こちらも枝沢から


河原の防P迄、最後の滝 本流らしいから音だけ
 かなり前に題名は忘れたが俳優 渡辺 謙 さんが演ずる田舎出の新撰組刺客(だったかな)が、何かのフレーズで話す一コマ ”右に岩手山、左に早池峰山・・・” が、妙に記憶に残っている.特に早池峰山という名前が何となく切ない響きで興味が湧き数年前から登ってみようかな等と思ってもいた.しかし、そこは東北.ちょっと遠いので中々実行出来ずにいた.それが今回のクラス会帰省という絶好のチャンス.

 前日、午後2時頃家を出て途中食料などを調達し”岳駐車場”に着いたのは午後9時頃.駐車場に他の車は一台もない.さすが平日.麓のコンビニで買ってきたお弁当はほんのり暖かい.猫舌の私には丁度食べやすい.缶ビールを飲んで寝袋に潜り込み早々に寝てしまった.何時頃だったか雨の音で目を覚ましたが、又寝て翌日3時頃再び目を覚まし、傍のトイレに入ろうと車を出るとそれ程寒くはなく空にはお月様が出ていた.星も見えたが、雲の流れが速く 出たり隠れたりを繰り返している.

 車に戻って寝袋に潜り込むがもう眠れない.ウダウダし4時頃起きて支度.カップうどんを食べてヘッデンを点け4時半過ぎに出発.魚止め滝、清廉の滝と過ぎ鳴想の滝で雨が降ってきた.ガスも出てきた.今日は”午後から雨が止む”の予報を信じ、カッパ(黄色)とザックカバー(黄色)を着け河原の坊駐車場に着いたのは6:20.意外に時間がかかったなぁ〜.


この辺りで何台かの車に追い越されました


うすゆき山荘 6:15


河原の坊 左ビジターセンター 6:20


河原の坊コース入り口にある案内板 立派!


注意書き 6:30


最初の徒渉点


登山道の様子


まあ、こんな感じです



 四阿があったので休憩し、朝のコーヒー(といっても缶)を飲む.駐車場には何台か車が駐まっていて、下の車では出かける支度中.上の駐車場には軽トラックを含め3台.休憩を終え、登山口の方へ歩き出してその車の脇を通る時、朝の挨拶をしたらその中の一人から「後から追っかけます」 と、元気な返事.しかし、それ以降会う事はなかった.

 詳しい看板のある所で登山ノートに記入し、”黄色いダルマ”姿で登山口に入って行く.ガスも雨も一向に晴れず何度か徒渉を繰り返して段々急になってきた.その内登山道の”道”はなくなり、両側にロープが張られたゴーロ沢の様な所を登って行く.風も少し強くなってきた.


ガスが濃くなってきましたよ


徒渉します


殆どゴーロ沢遡り 雨も降ってます


左岸に徒渉します(何度目かな?)


尾根への登りの様です ロープが両側にあります


尾根に出ましたが、展望はありません 7:50
 ゴーロ沢斜面から”道”は左岸尾根に向かって急斜面を登り、四面ガスで見えない尾根に着いた.木の類は殆どないので晴れている時の展望は素晴らしいに違いない.が、今日はダメ.風が益々強くなってきて、何だか足元からすくわれそうになるのがおっかない.尾根から沢形っぽい登りになり幾分風が抑えられホッとする.が、それも束の間草木のないガラガラの岩場の登りになる.こうなると又風が強く吹き付け、浮き石と風に注意しながら登って行く.濡れた岩に掴まったりするから、手袋がもうビショビショだ.岩の間に入って風を遮り手袋を予備のものに交換するが、こちらは毛糸なので濡れてしまうのもすぐだろう.

 ”御座走り” と記された標識の所に登り出た.滑岩にロープがある所だが、溝に岩が挟まっている所を登った方がザイルを使わずに済み楽だった.ガスはとれそうになく風も益々強さを増してくる.上の方に岩のシルエットが現れ、下には”打石” の標識があった.何の形容か判らないが考えてる暇などない.大きな岩に身を隠し風が少しでも弱くなるのを待った.その間、手袋を絞り、水を飲みパンをかじってエネルギー補給をする.カッパに当たる雨がパチパチという音に変わってきた.小さなアラレの様だ.


沢形に入ると風は多少防げました


風休憩したすぐ上に”御座走り”の標柱がありました


その標柱です 8:35


岩が積み重なっているルンゼの方が登りやすかったです


”打石”というんだそうです 犬のシルエットに見えました


この辺りが一番風が強かったです 9:00


これが千丈ヶ岩でしょう 見た目ほど怖さはありません ガスのせいでしょうかね 
 身を隠せる大きな岩を選びながら少しづつ登るが、さっぱり捗らない.此処から引き返そうかどうしようか迷った.GPSで位置を確認すると頂上から標高差200m弱の所にいる.判断が難しい距離である.戻るとした場合、このガレ場下りは登るより厳しいだろうし、下りで身体が浮くから風に煽られやすいかも知れない.それなら、時間がかかっても頂上には避難小屋があるから、風を凌げる.その内風も弱まるに違いない.よし、頂上を目指そうと決めた.

 ガスが濃く気が付かなかったが登り始めてすぐに”千丈ヶ岩”という標識が出てきた.どれがその岩なのか判らないが、その辺りだろうと適当に撮っておく.又滑岩が出てきた.今度はクサリ付き.風に煽られながら登る.この時は下から吹き上げてくる様な風だったので、登るのに案外楽だった.暫くして風は少し弱くなった様な気がした.突然(本当に突然)ガスの向うに赤っぽい屋根が見えた.左には朱色の建物があった.頂上に着いたのだ.回りを撮るのも忘れ、避難小屋に飛び込んだ.


雪も少しありました いつ降ったんでしょう? 今はアラレがパラパラ


ハイマツ(?)に雪が着いてます こんなの撮ってる余裕はないんですけど


おっ! 頂上だ〜♪ 9:25


避難小屋です


剣が沢山ありました


三角点をチャチャッと撮ります
 小屋に入り風が完全に遮られるとフワッと暖かい.風にズーーッと吹かれていたせいか汗はかいてない.カッパの下の薄いフリースは脱ぎ代わりにセーターを着込んだ.そのまま暫く休む.濡れた手袋は絞って、持ってきている新聞紙の間に挟んで座り水を切る.少しはましだろう.ビスケットを食べながら時々外の様子を見る.

 さて、これから・・・ 予定通り鶏頭山縦走路に入るか、小田越に下山するか迷う所.どちらも初めてだから風を受ける条件は同じか.どちらが早く樹林帯に降り着くか判れば、1も2もなく選べるのだが・・・なら、縦走路を行こう.小田越に下りるとその後の林道歩きがかなり長くなる.そう考え、再びカッパをセーターの上に着てフードの上から(黄色の)手ぬぐいをほっ被りした.風が下から吹いてくるのでフードが風で外れない様にする為だが、こうすると結構暖かい.益々の”黄色いダルマ”が完成です(笑)

 小屋で待ってる間、誰か来るかなと思ったけど誰も来ない.意を決して外に出る.何となく風が弱くなった様に感じる.頂上に着いた時コンデジ撮影してなかったので、その辺りを手当たり次第にカシャカシャ.剣が随分立っているが何か謂われでもあるのだろうか? 標識に従い縦走路に向かい下って行く.


小屋から縦走路へスタート 5.1kmか・・・ 9:50


ハイマツ帯は風当たりが強いです


大きなケルンがありました 10:10


樹林帯の中、道は泥濘


中岳山頂です 11:35


狭い岩場 両側の高さがあまりないので恐怖感はない


岩場が結構多いです
 初めはハイマツの中の大きな岩が少ない斜面を下っていくから、風当たりは強い.視界があれば展望の良い所だろうに残念だ.又、機会をつくって来ようと思う.登りとは比べものにならない位風は弱くなった(と言ってもそこそこ強いけど).丸い番号標識127番付近にある距離指導標(鶏頭山3.6km)を過ぎると背は低いが樹林帯に入った.風は殆ど遮られるので、ほっかむりを解きやや快適に歩ける様になるが足元は水溜まりだらけ.時々岩場が出てくるが難しい所はなかった.やがて、中岳の山頂標識のある岩のピークに着いた.

 中岳でもガスで展望はなかった.休む理由もないのでそのまま鶏頭山に向かう.縦走路は時々下降があるけど中々高度を下げてくれない.又距離指導標(鶏頭山1.6km)が出てきた.樹林帯から展望の良い場所に飛び出すとガスが僅かにとれて薬師岳やこれから行く鶏頭山が望めた.下の方は紅葉などが広がってる様だが、厚い雲が太陽を遮っている為薄暗く、くすんで見えるのが惜しい.

 これまで一人も会う事はなかった.駐車場で声をかけられたグループも来なかったし・・・第一、平日のこんな天気模様に登る物好きなんて、そうはいないだろうね.等と考えたりして樹林の中を歩いていると、新しい靴跡が泥土の中にあった.私と同じ方向だから、縦走者だろう.昨日だろうか? 鶏頭山への登山道が見える場所でも人影を確認する事は出来なかったが、もし今日だったら もう鶏頭山を下降している頃だろうか?


丸い木の上は限りなく滑ります(笑)


鶏頭山 1.6kmの距離指導標


樹林帯からこういう所に出て展望が広がる(振り返って)


ガスが少し切れ薬師岳が姿を現す


同じ場所から鶏頭山がピークの後ろ ・・・遠いな、オイ


晴れていれば紅葉が素晴らしいんでしょう


(左)中岳らしいです. 早池峰山の頭はガスの中? 右の薬師岳、整った形です


狭いトラバース道 展望に気をとられ転ぶと一気に下山か(笑)


鶏頭山へは 緩く登ってあと少しです


ニセ鶏頭のお坊さん
 緩く登って鶏頭山の山頂に着いた.ガスは消えているけど、此処から見る限り中岳の頂上付近がガスに包まれているので早池峰山もガスの中だろう.対峙する薬師岳はその端整な姿が素晴らしい.眼下には下がって行くに連れ(くすんではいるが)紅葉が変化していくのが見てとれ、晴れていれば絶景なのに、、、と、思うがこれも仕方がない.サンドイッチと缶コーヒーでエネルギーを補給し、岳までの下降に備える.カッパ上下を脱ぐと身体が軽い.風は少しあるが寒くはないので手袋もいらなかった.”黄色いダルマ”は消えた(笑)

 避難小屋に案外早く着いたので、岳までも早く下りられるかなと思ったが、そこからも結構長く感じた.早池峰山へは大きく遅れてしまったが、何とか明るい内に帰る事が出来た.広い岳駐車場には出発した時と同じ私の車一台だけだった. はぁ〜疲れた・・・


鶏頭山 山頂です 14:05


ニセ鶏頭山 14:30


摺り抜けて行かなければ帰れない・・・


鶏頭山ですが この後すぐガスがかかってしまいました


さ、下りましょう


ダケカンバが見事な光景なんですが、色がくすんで・・・ 


避難小屋に着きました 15:00


上では終わってる紅葉もかなり下ってくるとまだありました

やっと林道が見えました 16:00


岳 駐車場 に到着です 16:20

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当レポは
写真撮影だったり適当に歩いたりで、時間やルートは参考になりません.
仮に当レポを見て行かれる場合は予め情報を収集していただき、計画を
充分に立ててから実行して下さい.