山登り

新潟県魚沼市
越後駒ヶ岳敗退




                  



2020,8,28 訪問


(恥ずかしいので参考にしないで!)
              
 ・いつもと体調が少し違った.熱さで眠る事が全く出来なかった.
 ・八海山北面、グシガハナからの絶景、等でコースを簡単に決めたのは、下調べが足りなかった..
 ・更には、コースを決めたはいいが地図(地形図)をよく読んでいなかった.
 ・先週の山行疲れ(北横岳)が残っていたのと、もの凄く熱かった.


 蒸し暑くて全く眠れないまま午前2時に家を出発.関越道六日町ICで下りてナビに従って森林公園キャンプ場へは順調に着いた.早くは走れないので、ナビが表示してる3時間15分を若干オーバーした5:30頃.結構広く舗装された駐車場は我が車一台だけ.朝飯を食べている時、白いミニバンが林道を走っていった.へ?まだ向こうに行けるのか?(地図を見ると少し道が、堰堤まで続いている)

 今日は行程が長いのでザックは軽めにしたい.三脚は迷ったけど置いて行く.ザイルは不要.ヘルメットは持って行く.雨具や救急セットなどは入ってるまんま.ツエルト、お助けロープを追加.水は凍らせたペットボトル2本に、凍ってないもの1本.帰路は山頂付近にある駒の小屋で補充すればいい.そして、いつもの行動食.それ程重くない.
 この駐車場には案内板はないか? 例えば登山口への導標とか、心構えの注意書きとか、熊注意とか、見当たらない.ま、踏み後などあちこちにある訳ではないから、林道をまっすぐ行けばいい. 午前5時45分、出発.足に特別な違和感はないけど、林道を歩いてすぐの所に、ミニバンが駐まっていた.出掛けたのか誰もいない様だ.やはり、駒ヶ岳だろうか?(一度も会うことが無く、帰りには車が無くなっていたから、釣りとかみたい)
 歩いていて今日は足が何だか重い感じがする.早々に、山頂は無理かな〜の思いが湧き出ててきた.それでも、その内いつもの状態に戻るだろう.と、言い聞かせながら歩いて行く.
  下手ですがデジ一画像もどうぞ



駐車場から

 今日の目標は3っつ. ■八海山の剣々(とげとげ・・と読んで(^_^;; ) しい光景を見る.その下にあるデトノアイソメ≠ニいう谷合いは見えるのか? ■グシガハナ(1811P)からの360度風景をデジ一に納める.そこからの駒ヶ岳を眺めたい ■駒ヶ岳山頂を踏む(←ピークハンターではないからこれは無理しない)


越後三山森林公園駐車場 5:40




ススキとオトコエシ?


水無川
 林道を歩いている時前方にかなり大きい滝が見えた.多分、サナギ滝だろう. 出合いだけが見えるセンノ沢にはコンクリート製の橋の下流に滝が落ちてる様だ.頭しか見えず、その向こうは水無川の本流が見える.太陽がまだ昇らない朝早い時刻から熱い日は、沢や滝などを見ながら写真を撮り歩くのもいい.かつてはそうだったけど最近は山が多い.
 続いて滑滝が橋の下を横断して流れている.オツルミ沢の様だ.滑滝→多分オツルミ滝.沢の濡れている所はかなり滑るから登山靴では無理.この上にカグラ滝という2段80mの滝があるそうだ.新潟も滝が多い県だったよなあ.

7−80mは越えるような高さのスラブがあり、水が滴り落ちている.水無川の川幅は広いが両岸は切り立って険しい.




サナギ滝ズーム



オツルミ沢 オツルミ滝 デジ一でも撮ったけど、三脚がいるよね・・・ この奥にカグラ滝ってのがあるらしい



サルナシ 熟した物は美味しい. 爺の故郷ではコクワ≠ニ呼ぶ


スラブに滴り落ちる水は温められて冷たくない


蝶or蛾? 羽から羽まで6−7cm位


ゴマナ



 ススキや両脇の草が朝露で垂れ下がり、掻き分けていくとすぐにズボンはずぶ濡れ.草地でやっと出てきた一本の導標には駒ヶ岳5.1km≠ニある.これだけ見て、おお、さほど難儀ではないな.11:00頃には着くだろう位に思ってしまった.それより、踏み後が沢沿いに直進している.そっちの方がかなり、気になった.(←地形図にも表記されている破線道はデトノアイソメ手前まで続いている) 尾根に取り付く場所は はっきりしていて迷う事はない.が、いきなりの急坂である.

 辛い辛い急坂の始まりである.風の無い樹林の中で、たちまち汗が噴きだし顔中汗まみれになってしまった.木の根を掴みながらの登りだから、土が手に着きそれで顔を拭ったりするもんだから、額など土だらけになってしまったにちがいない.



草には露が


やっと登山口の十二平 標識は初めて出てきた 6:50



登り始めてすぐ、 




水無川左岸の多段の滝、一体何十メートルあることやら(多分、笹花沢)

 喘ぎ喘ぎ登り、10m位平らな道があって早速一休み.木の間から遠くの風景が少しでも見える所では立ち止まって、風景を見ながら息を整える.水無沢の左岸側に、大きな滝も見える.高い所から数段になって落ちていて、落差はどれだけあるか判らない.此処で今日初めて地図を出しGPSで位置確認をしてみた.688m・・え”ッ もう800mを越え、雪見の松≠ニかが出て来るんじゃないのかッ と思っていたから、ガックシ.

 随分歩いたんだけどなあ、、と、改めて地図を確認.へ!駐車場の高度は360mで、十二平登山口は487mだ.そんなに低かったのかあ・・・ まあ、それでも300m以上登ったのだから、、と、気を取り直し.此処からは岩が多い登りも出てくるのでヘルメットを着けて急登再開.


緩く見えても急


ジグザグにつけられてるけど、急



1588P、1538P(左) 熱い・・・

 木の根を掴んで登り、目に入ってくる汗を拭きながらテラスのような所に飛び出した.右側に一本の大きな松の木があった.板が上下に架けられている.下の鉄板の方は、かろうじて雪見の松≠ニ読めるが、上の木製の物は風化していて読むことが出来ない.

 すぐ近くに岩があり、その間の草に隠れるように蛇がいた.へー、マムシですよ.カメラをウエストポーチから取り出してる間にゆっくり動いて隙間に入って行く.急いで撮ったら何とか尻尾辺りが撮れた.それ程大きくなかった.あ、マムシ自体そんなに大きい物ではなかったな.マムシがいるのではうかつに岩や、木の根を掴んだり出来ないなあ、、と、取り敢えず安全策を考え軍手を着けた.しかし、この熱さですぐに脱ぎ、岩とか、木の根に掴まる時は注意した.(←その内にこの注意する事は忘れてしまった)

 とにかく熱い.水をどんどん消費する.シャリバテになるといけないからパンを食べておく.が、足の重さは治らない.それどころか余計重たくなってる気がする.参ったなあ・・・



雪見の松 7:45


マムシさん(マウスで部分拡大)



中央奥に八海山の稜線が見えて来た 熱い・・・



足が進まない.休む事が多くなってきた


ジリジリ、、熱い・・・


デトノアイソメ 何ともユニークな名前ですが意外と知られた場所だったりするようです.おおまかの意味は
「出戸でと」 の 「逢初あいそめ」
「山の端」 の 「二つの川の合流地点」 
因みに、昔(と言っても昭和時代) アイソメ某という俳優がいましたね.その道≠フ大物で、その映画はオオオとつい涎が・・・って、いやいや
このスターを知ってる人、同年代か(笑)
あ、爺は名前だけね.(ほんとか)
 急登は続く.時々右手が開けた傾斜の緩い場所を通ったりし、八海山が姿を現し始める.しかし、こういう場所は陽が照りつけ焼けるように熱い.デジ一を出して撮り、登って木陰に逃げ込むといった事の繰り返しだ.時間が掛かるのは仕方がない.更に、急登を続ける.良くないことは重なる.足の重さに加えて左の太腿に違和感.ああ、攣った.攣った、、まづいなあ・・・

 休憩する適当な場所もなく、坂道の階段状になってる木の根に腰掛け、(太腿が)落ち着くのを待っていると、下からあまり大きくない音の鈴を鳴らして男性が 「きついッスね」 と、登ってきた.「山頂まで行くんですか?」 と、問われ 「一応その予定だけど、こんな調子じゃ手前が精一杯かも」 と、足の調子の悪さを言って返事.少し情報交換をしてその人はどんどん登って行った.割と身軽そうで50代位かなあ.バイタリティがあって羨ましい.

 両側が低灌木帯になり、上空が開いている登りになり最悪.逃げられる日陰も少なく飲む水はすぐに汗になって出て来る様.それでも、南西側に見える八海山や、水無川に落ち込む絶壁の迫力に感動.その左には中ノ岳も姿を現してくる.素晴らしい眺めだ.これなら、今日山頂を踏めなくても構わないし、又、この景色を見ようと再訪も出来る.



灼熱の八海山




梢越しに北側




デトノアイソメ 稜線左がオカメノゾキか?



急・・・熱い・・・フウ


花と言えばこれぐらい ホツツジ系?


や、止めよかな・・・


やっと1000mを越えた 1070m付近の三本松 日陰で休も


あれは、中ノ岳ですね


何でこんなに熱いの〜 登高速度がた落ち 1250m付近
 いつもだと、足が攣っても暫く我慢してゆっくり歩いていると、そのうち治ってしまうのだけど、今日はダメだ.治ったと思っても、急坂でつい足に力を入れたり、木の根を乗り越えたりすると攣る.岩場の所で攣りがひどく堪らず休憩し、ついでにデジ一を出して八海山などの風景を撮っていると、二人の若者が賑やかにお喋りをしながら登って来た.かなり軽装だ.

 「元気ですねえ!」 とご挨拶.「あれ、駒ヶ岳山頂ですか?」 と聞かれた.指差してるのは、この登山道の延長に聳える三角鋭鋒.「あれは多分グシガハナ≠ナ、山頂はそこから概ね1.5km先にありますよ」 と、GPSと地図をを見せて今いる所、駒ヶ岳のルートなどを簡単に説明.「えーー、もう水が殆どないのに」

 聞けば、先輩から 越後駒ヶ岳は登りやすい山で楽しいよ、と、薦められて来たのだそうだ.登山口などあまり、詳しい事は聞かなかったらしい.越後三山キャンプ場森林公園≠ニいう名前からこのルートを選んだらしい.二人共20代前半で元気そのもの.地図とか(スマホのアプリ含め) コースを確認する物は持ってないらしい.この元気だから案外早く駒ヶ岳山頂まで辿り着けるかも知れない.そうしたら、駒の小屋近辺で水は得られる筈だよ.と、簡単に説明.



中ノ岳? と思ったけど、御月山




あれが、中ノ岳




谷川岳は雲の中か

 二人はいろいろ話し合っていて、取り敢えず行ってみます、と出発.良いなあ若いって.上を見上げると、グシガハナの鋭鋒がそそり立ち、絶望感に追い打ちをかける.先に出発した二人の会話が聞こえてきた.これ登ってきたのはコース選択ミスだよな.駒ヶ岳から枝折峠ってとこに下山して、ヒッチハイクで帰ろうか・・・タクシーはどうだろうか、呼べるのかな? 財布持って来た? 等々.いろんな事を思いつくのだねえ.そう言えば、一人は登山がこれ初めてだと言っていて、もう一人は(登山は)初めてじゃないが多く登ってはいないそうだ.

 少し元気を貰った気がして、クッキーを水で流し込み歩きはじめるが、足が以前重く、登るのが極めて辛くなってしまった.こんなに足が上がらないってのはいつ以来だろうか.1640m付近の少し大きい木が生えてる日陰で休憩.さっき歩きはじめた所から(標高)100mと上がっていない.此処で、引き返す事を決め、その前に充分休む.復路だってあの長く続く急坂下りは簡単じゃない.保冷バッグの中の凍らせてきたペットボトルの水はすっかり溶けてしまっているが、まだ少し冷たい.一緒に入れてある助六寿司のおいなりさんを食べる.お腹が空いてる訳ではないけど、食べておかないと例え下りと言えど体力を使う.一個食べられればオンの字だったが、おいなりさんは2個食べられ、一緒に入ってるのり巻き2個も食べられた.食べて休んでいると元気が出てきたが、これから登りを続けてもこんな時間じゃ、山頂に着くのは一体何時になるのか.行ける訳がない.

 すると、上からあの二人が下りて来た.山頂へ行くのは止めました、という.グシガハナはもう行って来たのかい、早いねえといったら、そこも大変そうだから途中迄、、だったそうだ. 又、世間話も含め休憩後、先に下山して貰った.


ロープ 他に欲しかった所あったけど


六日町遠望



ゲッ あれ、グシガハナ 僅かな登高エネルギーもこれで消えた  熱い、、




小屋みたいなのが見えます(斜めに平らな所)




下は登ってきた尾根 八海山大日岳か?

水を被り、飲んで身体を冷やしたらホッとして眠くなってきた.平らな岩の上に水をかけ、後ろの岩に寄りかかり目を閉じたら、Zzzzz チリンチリンの音で目を醒ました.登りで追い越された単独男性が下山で通り過ぎた音だ.一体、どれ位寝てしまったんだろうか.15:30分位に登山口に下り着いた.駐車場に着いた時刻が17:15.経過時間が105分.帰路の約1時間を差し引くと、45分.すると、水浴びに40分以上かけていたことになる.居眠りはその中の20分位かな.熊に喰われなくて良かった.  下降中も陽の当たる所は熱くて辛く、日陰でも風が無く体中が熱い.水を飲むと一瞬汗が噴きだすが、すぐに渇き、下るのもフラフラ歩いてる気がした.何かに躓いて転んだら、道とは言っても急斜面だから、かなり下まで転げ落ちてしまう.そうならない様にゆっくり、ゆっくり下りて行く.
 長く感じた雪見の松≠過ぎ、下の方から沢音が聞こえて来た時は、それだけで生き返った気分になった.不思議なもので、そこからは何だか少し元気が出た.熱さにやられ(私にとって) 大変だった二つの山行が思い出された.でも、笙ヶ岳は何とか回れたし、秋田駒ヶ岳では途中で諦めたのだが、今日程ひどくはなかった.

 下降中、登山口に下りたら まず、頭から水を被ろうか? いや、まてよ それだと熱い脳に冷たい水を急にかけるから良くないんではないか.いきなり、水をがぶ飲みするのも水あたりとかでまずいだろう.うんうん. 沢に出ても冷静に まず、タオルを水に浸して顔を洗おう.それから上半身の服を脱いで身体を拭こう.頭にタオルをかけてゆっくり水をかけていこう. おお、熱中症寸前でもしっかりと考えが出来るとは、我ながらまだ大丈夫(何が?).

 ・・・・・ 登山口を出て、沢に下り 靴を脱いで水に膝まで入る.ふぁあ〜〜気持ちいいッ 空のペットボトルに水を入れ頭からジャアーーッ ひぇぇぇぇ〜 天国じゃあ. 水はゴクゴクと 僅かだが甘い気がする 最高、、、、.
 人間、欲望の前には弱いものである. 登山口15:30 駐車場17:15


さ、帰ろ 12:25 1635m付近






駆け下っていく若者2人 早い早い!

下手ですがデジ一画像もどうぞ   Photo Nikon P7800 二代目 

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当レポは
写真撮影だったり適当に歩いたりで、時間やルートは参考になりません.
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