滝見は出来ず山登り◇

山形県、秋田県
鳥海山

ちょうかいさん:2236m


                  



2015年 7月 11 日 訪問


(時間やルートは参考にしない事)
              
  秋田県と山形県にまたがる鳥海山の麓には、名だたる立派な滝が多い.法体の滝や元滝、奈曽の白滝等.
観光滝ではないが、その、麓の滝で是非見てみたいものがある.地形図にもしっかり載っている「大倉滝」だ.

 今年の3月になんちゃんが埼玉から長崎へ引っ越してしまい、その送別登山を行った時久々にあっきーさんと会った.あっきーさんは2011年に訪れているので、少しだがその時「大倉滝」の情報を仕入れる事が出来た.その滝は朱ノ又川上流にあり、簡単には行けない.下から時間をかけて遡行するか、鳥海山の登山道を上って滝へ降りるかだ.パワフルなあっきーさんに比べ歩きも遡行も格段に遅い爺だから連れて行ってくれ、、、等と言ったら迷惑がかかる.当然一人旅で、どちら(沢遡行 or 登山道)にするかは、現地で決めよう.この熱さだから出来れば沢遡行の方が良い.登山道は帰路にしよう・・・と、年甲斐もなくかなりワクワクする.

 どうせ、行くならもう一山簡単そうで花が多いとかの山を登って来ようと、少し贅沢を企む.地図を見ると近い所に「栗駒山」、「焼石岳」、「和賀山塊」 等がある.帰路、東北自動車道に乗るのだからその辺のアクセスも考慮し、二日目に登る山は「栗駒山」に決めた.

 家を少し早く出ようと計画していたのに、(仕事で)少しの変更が出てそれに対応していて結局出発したのは午後4時半頃.決して早いとは言えない.東北自動車道から秋田道を走り、湯沢ICを下りる.車の燃料を給油しコンビニで今晩のビール&そのおかずと明日の食料を仕入れた.


林道に入る少し手前 こういうのって安心するんですがね


で、、、(涙) 7/11 0:20
 7-11では1400円を少し越える金額だった.700円で1枚スピードくじが引けるらしい.2枚取って秋田美人の店員さんに渡したら、2枚とも当たってると言われた.更に、「話し方の様子からこちらの方では無いようですが、アイスの方はすぐ召し上がられますか?」と聞かれた.こんな夜にアイスを食べる元気もないし、保存する様な物も持ってないから別に貰わなくても構いませんよ、、、と返事したら「じゃ、何か別の物と取り替えましょうか?」と、ご親切.お茶に取り替えて貰った.「これからどちらの方に向かわれるんですか?」、と聞かれたので”沢を遡って滝を見に”では判らないだろうから、明日、山に登るんですが今日はキャンプ場で車中泊するんです 「山は花の季節ですね、気をつけて楽しんできて下さい」 お礼を言って、店を出た.良いなあ、コンビニでもみちのくは・・・秋田美人の店員おねいさんも・・・

 さて、ナビ任せだから何処をどう走っているのかさっぱりだが、林道入り口みたいな所を入って行くとすぐ砂利道になった.それ程走りにくいと言う事はないし、間違いなく目的地に向かっている様で安心する.しかし、間もなく分岐が出てきて右は通行止めのゲートがあった.同じ様な道を左に走って行き、しばらくしてナビのルートから外れている事に気が付く.「何?」 ナビはウンともスンとも言わない.(ナビに)道が無い所を走っているせいか? Uターン出来る所まで走って戻り、分岐の所でゲートをよく見た.ゲートの方向が目的のルートだった.此処に車を駐め歩くんじゃかなり遠い→論外 うーーん、うーーん、としばらく考えた後、(山形県)旧八幡町の方から回ろう・・・と、安易に決定(一人だから思慮分別なしか) 今日は道の駅(おがち)で寝ましょう.


ゲート脇のお知らせ


国道344沿いにある滝 名前? 7/11
 地図(地形図のコピー)を見ると明日(もう今日か)の行程も長そうだ.早く出なければいけないから、アルコールは無しだな・・・辛いネこれは.

 翌朝4時頃、ナビにルートを与えようとしたが、山形回りで登録出来ない.第一、爺の古いナビに大清水園地から八幡方向の道が無いのだ.しょうがないから近くの「家族旅行村」を画面上でタッチ登録し、再出発.制限速度70kmの国道13は車が少なく快適に走る(しかし、眠い) えっ、70km?? そういう道もあるんだねぇ.

 ナビ任せだから、運転だけに集中出来るので気分的には楽である.真室川を過ぎ国道沿いの滝を見たりして家族旅行村の方に右折する時 「玉簾の滝」 という、立派な看板を見た.走ってるのと同じ方角らしい.その滝入り口の脇を通っていくとすんなり林道に入れた.もうナビはなし.一本道のダート.道はだんだん悪くなり、車高の低い乗用車では困難と思われる状態になってくる.かなり走って少し小広い場所に出た.園地かな? と、思ったけどまだまだかなり手前.前方には大きなイタドリが道路に覆い被さって道路を見えにくくしている.そろそろと走って行くと、前方に太い倒木が! 5m程手前で停まる事が出来たが、調子よく走っていたらガツンだね.まあ、こんな林道の事だ、、、何があっても不思議ではないからいいとして、「通行止め」の看板位は欲しい所だねぇ(笑)

 場所をGPSで確認すると兜山から真西にあたる所.園地どころか県境までまだ遠い.園地は諦めるしかないでしょう.せっかくだから、此処で朝飯代わりのカップうどんを食べる事にした.



向うのお山は 兜山 の様です (Uターン出来る場所でUターン後) 
7/11 7:45


倒木が通せんぼしてましたよ 7/11 
 「玉簾の滝」入り口に戻った時は既に8:30を回っていた.さて、これからどうしよう.車で観光滝巡りも良いかもしれない(でも、地図やそういう事の為の資料がないから判らないので辛い).取り敢えずこの滝を見ながら考えよう.おお、水量の割に中々立派な滝ではないですか.
 滝から戻る時 前方の雲の上に山が見えた.鳥海山か! 昨年登った事を思い出した.確か近くに登山口があったな、登ってみるか.こんな時間じゃたいした所まで行けないだろうが、花等を見てくるのも「滝行けず」の慰めにはなるだろう. トイレのある駐場に着いたのは9:40.車が一杯で何とか縦に駐められたのはラッキーだった.ツアーの登山者らしい10数人が準備運動の最中で、爺が支度している間に登っていった.
 
 登山カードに記入しポストに投函.石畳の緩い道を登り始めたのはもう10時近い時刻.それでも急がずのんびりと・・・に心掛ける.滝の小屋に着いたら大勢のハイカーがたむろしていた.先程のツアーの人達だろう.随分ゆっくりしている.頂上小屋泊まりかもしれない.影鳥海とか御来光とか見るんだろうか.若い人から年配の方々まで様々.休んでいる所を申し訳ないが、道を空けてもらい通させてもらう.


玉簾の滝入り口 7/11 8:30


神社みたいなのがあって・・・


看板です


玉簾の滝 カッコ良い〜 62mあるそうです


おお〜 鳥海山だ〜


駐車場 爺の車は左、軽バンの前  7/11


駐車場から見下ろすクネクネ道路 手前白いのは残雪


登山道入り口 9:50 遅いスタートだぞ オイ


まずは石畳の緩い登りです


水量が多い沢を渡る橋


滝の小屋、ツアーのハイカーグループが休憩してます 10:05


滝の小屋を過ぎ、すぐ沢を渡ると、 雪渓があります
 沢を渡ってすぐ雪渓に入る.スキーを担いだ人がかなり上を一人歩いていた.この雪渓を滑り降りる様だ.気持ちいいんだろうねぇ.少し登って見上げると、滝(の上の方)が見えた.せっかくだから見ておこう、、、と言う事でやや急斜面の雪渓にステップカットを刻みながら登る.少し離れた所を先程のスキーヤーが勢いよく滑り降りていった.あっという間に下に着き、又、登ってきた.楽しそうである.

 滝は水量があって勢いが良い.フイルムカメラを車に置いてきたのがやや惜しまれる.(後で地図を見たら白糸の滝とあった) 適当に見学を終え、少し下って右岸の灌木帯にある道(と言うより踏み後+)を登って行く.開けた所に登り出、低灌木の上の露岩を歩いて下から上がってきている道に出た.こっちが本当の道だったのか(汗) 露岩の上に立つと、日本海、庄内平野、遠くの山々がよく見える.この辺りでゆっくり休み、昼飯喰って帰るのも悪くない.そんな考えで、移動しながら花や景色を撮っていると、下から男女二人組が上がって来て「少し話をし、私達は行ければ七高山までですがどちらまで行かれるんですか と、聞かれた.つい、こんな時間ですから七高山まで行けるかどうかですが と、言ってしまった.その二人組:「もう少し休んでいくのでお先にどうぞ」 爺:「じゃ、お先に・・・」 むむ、唇寒し・・・である(あ、意味が違う(^_^; )


雪渓を登ります


白糸の滝 と 名前はついてますが、結構豪快ですよ あ、雪融けだからか!


雪渓からこの”道”へ入って行きます


低灌木の上に露出した岩の上をヒョイヒョイ


左下から正規の道が上がってきてました(汗)


おお〜 日本海が見えた






 傾斜が緩むと間もなく河原宿小屋だ.誰もおらず、小川の様な沢に数人が何か作業をしていた.ルートの整備らしい.トラロープを張ったりもしている.心字雪渓の下の祠のある所でザックを下ろし、沢水に手を浸してみたら何と冷たいことか.河原に腰掛けまだ11時だが、お昼にしてしまおうと、あの7−11で買ってきたサンドイッチを食べる.食べながら雪渓を見上げると中間に2人が登っているのが見えた.

 ”お昼”を終え、雪渓を登って行くけど、これが案外登りやすい.キックステップが良く効く.残雪を時折吹き抜ける風が心地よい.休み休み登って行くと、下から見ていた時の二人組が少し上にいた.男性二人の様で、一人が雪渓歩きに苦労している様子.先へ行く人は少し登っては待つ、、を、繰り返している.その内雪渓から右の方に移動し、雪のない所で休憩する様だ.爺は、そのまま上に登り雪渓上につけられたトラバース道を快適に歩いて上の雪渓(心の上の点々部分)へ辿り着く.その雪渓は直登.上から二人下りて来た.もう下山する人か.雪渓が切れ、あざみ坂の急斜面に入る所で、数人が休憩中だった.殆ど下りる人達だった.

 下の雪渓を見下ろすとあの二人組と思われる人達が、雪渓を上の方まで登り切り大きく迂回して歩いている.雪渓歩きが苦手なのかも知れない.一人が先へ行き、追いつくのを待って少し休む を、繰り返している.
 爺はあざみ坂を登る.涼しかった雪渓登りとは逆でたちまち汗が吹き出してきた.ただ、道の両側には花が多く咲き、撮るのに立ち止まるのが多くなった.疲れて振り返ると大展望に癒される.登るに従って、日本海や庄内平野が広く大きく見えてくる.


傾斜が緩んで・・・


河原宿小屋の屋根が見えて・・・


河原宿小屋に着きました 11:05
小屋の前の花に気を取られ小屋の撮影忘れ〜


で、少し過ぎてから振り返り カシャッ


心字雪渓を見上げます


左見て ほえ〜 ♪


右見て ほえ〜♪ (空が落ちすぎるので+1.0)


あざみ坂は殆ど直登 辛いッス


でも、花が沢山咲いてるので撮りながら登ると結構捗ってますよ






 斜面が少し緩む所で、あざみ坂を見下ろすと二人のハイカーが登って来るのが見えた.あの二人組とは違って単独の様だ.あの二人組はどうしたろうか、引き返したんだろうか、何故か気になった.気になったがその内忘れ、伏拝岳に着いて秋田側の展望に目を見張る.新山もガスゼロでくっきりだ.水を飲み、クッキーを食べながら素晴らしい光景を満喫する.時刻は13時、昨年来た時パスした新山に登ってみるか.近く見えたのでそう思ってしまったが、案外時間がかかった(笑) ま、今日は宇都宮に帰る必要がないので、時間的に気は楽だ.

 稜線は風が強く帽子を押さえながら登って行く.白い小さな花が固まって咲いていた.あ!これがチョウカイフスマか.白くて小さく、際立つ美しさはないが此処の他月山などの特産種だという.チョウカイアザミとかいうのもそうらしい.花を撮りながら登るから、又遅い.下りて来る人、登る人、結構多い.長靴で登ってるオジサングループもいる.


稜線分岐に着きました 13:00


あれ、こんなのあったっけ? 昨年は見逃したか、、、


又、、、ほえ〜♪






 新山と七高山の分岐から急坂を下って頂上小屋(大物忌神社)に着く.大きなタンクや建物が何ともだ.缶コーラ500円也.美味しい事は美味しい.炭酸は喉の渇きが一気にとれるから不思議だ.建物の脇を通り、岩の積み重なった斜面を登る.こんなの、ルートは此処だよとなってなければ誰も登らないだろうね.頂上(山名板のある峰)に立っても特別な感慨は湧いてこない.対峙する峰には若者達4−5人位が立っている.あっちの方が高いのか? ま、いい さ、帰ろう.

 新山からの下りは東側から下りる事にした.すぐ雪渓になり、簡単に下りる事が出来た.七高山はどうしようか迷ったが近く、簡単に往復できるので登っておく.こちらが何となく鳥海山の盟主らしく感じる.矢島口から登って来たという数人のハイカーグループと少し話をして、帰路につく.

 途中、十数人ツアーグループが登ってきたのと擦れ違う.そう言えばあの二人組はどうしたろうか?と、思い出した.あざみ坂分岐から少し下った所であの二人組が休んでいた.若い人は元気で、40代位の人はザックを下ろしてかなりバテている様子.彼は雪渓でかなり疲れてしまった様だ、と、若い人は話していた.それでも、今日は頂上小屋泊まりなので何とか行かないと、、、とも言っていた.40代位の人に大丈夫ですか? と、声をかけると話す元気もなさそう、かすれた声で頷くだけ.此処からは楽になりますから頑張って、と励ましてみたが こんな時はどう慰め、励ますものなのだろうか?

 ◆帰路、河原小屋宿の沢対岸に黄色い群落がビッシリとあった.よく見るとキスゲだ.遊歩道などは見当たらないからそっちへ行く事は出来ない.遠望で我慢するしかないか・・・ そんな事より早く帰らないと暗くなっちまう(笑)

 ◆林道情報など良く調べてくれば今回の様な事は起きなかったでしょうね.又、反省です.


(左上)七高山分岐 斜面は急で落石注意(帰路撮影)


チングルマの様な白い花が・・・


岩ザクザクの新山、ガスもなくスッキリです


岩ザクザクルートから


ガイド本に良くある岩の隙間を通ります


山頂 14:30  さ、帰ろ.


何かあっちの方が高い気がしますが・・・


頂上からの下り、こっちが楽でした


ホソバイワベンケイ 沢山ありました


自撮り (帰路の心字雪渓)


往路には気づかなかったキスゲ群落 もう少し近づければ良かったんだけど・・・



七高山15:15 あざみ坂分岐15:45 河原宿小屋17:00 登山口18:00 Photo Nikon P7800 

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当レポは
写真撮影だったり適当に歩いたりで、時間やルートは参考になりません.
仮に当レポを見て行かれる場合は予め情報を収集していただき、計画を
充分に立ててから実行して下さい.