山登り

山梨県北杜市、長野県伊那市
甲斐駒ヶ岳
かいこまがたけ:2967m



                  



2017,7,7 訪問


(時間は参考になりません)
下手ですがデジ一画像もどうぞ
              
 甲斐駒ヶ岳に行ってきました.
 登山口を何処にするかかなり悩んだ結果、黒戸尾根を登る尾白川を選択.その理由は簡単.

 ■中央自動車道伊那ICから仙流荘へ かなり遠回り
 □中央自動車道須玉ICから尾白川キャンプ場 ICから近い

 ■北沢峠から登れば、比較的展望も良いし、往復7時間位. 丁度良い
 □黒戸尾根は登り9.5時間、下り5.4時間(竹宇駒ヶ岳神社から) うーーむ

 ■仙流荘から北沢峠まで指定バスに乗らなければいけない.
 □尾白川渓谷駐車場から登り始められる.

 ■自動車道料金と、バス料金がかかる
 □自動車道料金だけ.上記に比較しちょっと安い.

 で、○貧爺は □黒戸尾根を選択.豪華旅行が出来る御仁が羨ましい・・・
 
 前日は少し早く出て、道の駅「はくしゅう」に車中泊.エンジンをかけっぱなしの大型車群を避け、離れた所に駐車.トイレは近いし、自販機もすぐそこ.脇に水が流れていて結構涼しい.滝とまではいかないけど、水の落ち込みを造っていて水音がやや大きいけど.

 遅く着いた為と朝早く登山口がある駐車場へ移動しなければならないから、お酒は飲めないけど ま、いいか.軽く夜食.暖かいので上に掛けなくても大丈夫だが、不思議なもので寝ようとすると周囲の音が気になり眠れない.ウジウジしながら午前3時ちょっと手前、ウトウトしたと思ったら4時ちょっと過ぎ.あ〜あ、寝過ごしか・・・それでもしっかり寝不足.

 道の駅から登山口のある駐車場は僅か7−8分.舗装された綺麗な駐車場だった.駐まっている車は10台くらいか.殆ど、出払っている感じだ.お湯を沸かし、(早い出発の場合)登っている途中で食べようと思った朝飯のカップうどんを食べる.まあ、お湯とか持って行かなくていいから、その分軽くなるのはラッキー.支度をして出掛けたのは5時位.登山届けに記入して、BOXに投函.


駐車場 4:55


こういうの、いいね!


神社の脇を通って吊り橋を渡ります


吊り橋から、尾白川 上流は良い滝があるんだよね・・・
 もう明るいのでヘッデンは不要.神社の脇を通って吊り橋を渡ると登山道っぽくなる.渓谷散策道と別れ、樹林の中の急斜面をジグザグに登って行く.暑くなり汗をかいてきた.今日のザックは軽いけど何故か足が重い.頭が重い.すぐに後からきた単独男性に追い抜かれた.

 足元に白い花がポツポツと咲いてる.センジュガンビだ.樹林の中で暗いから手振れまくり、帰りに撮りましょう.

 相変わらず調子が上がらず、ダラダラ登っていく.左の尾根に大きな木の根っこと枯れ木かある所で休み、太い根っこに腰掛けて木に寄りかかると眠くなってきた.多分15分位は眠ったか.その間誰か通っただろうか?道から外れているし、木の陰だから気付かないかも知れない.道の真ん中だったら、遭難者と間違われてしまう.

 頭の重さは消えたが、足の重さは相変わらず.標高差2000mを越える行程はすこぶる長いというのに、あまり捗っていない様にみえる.花もないし、見るべきものは時々出てくる石碑くらい.まあ、山頂に拘りがある訳ではないので、何処から引き返しても構わない.多少の残念はあるんだろうけど.



渓谷散策道と分かれて


道をジグザグに登って行きます 「十二曲がり」



岩ゴロ道じゃないから歩き易いんだけど、樹林の中は暑い



毛虫 緑色が綺麗だった


笹の平を過ぎると、又急登が始まる
 居眠り休憩した所から僅かに歩いたら笹ノ平だった.分岐があり、こちら側より若干狭そうな登山道が合流している.指導標識があり、駒ヶ岳7時間とある.へ!シ、しちじかん.一気に萎えますなあ.

 気を取り直し、雰囲気の良い笹の道を登る.やがて道は急になり足の重さが更に重くなる.上を見上げても開けている様子はなく、延々と道は登り続いている.岩ゴロ道でないのが救いだけど、結構辛い登りだ.ふあ〜、もうヘロヘロじゃ.

 何処で、どういう理由をくっつけて引き返そうか・・・等と、考え始める.雨は降る気配がないし、風もない.標高はもう1700mを越えているから熊も出そうにない.サイとかユキヒョウが出たと言ったら、皆は信じてくれるだろうか、アナコンダはどうだろう・・・情けないなぁぁぁ

 笹が切れ傾斜が緩んで道にシャクナゲの幼木が目立つ.何か石碑があり、刻まれた文字を読むと「地蔵岳刀利天狗」・・狗の文字は苔の中 地蔵岳って何処? そこから5分位で「刃渡り」のナイフリッジ. 僅かに展望が良い.更に、名前程緊張感は覚えない.それでも注意して通過する事に変わりはない.

 開けてはいるけど、ガスがあり残念ながら展望は得られない.益々気も重くなる.



多くの人に歩かれて道は掘り割り



「刃渡り」 ナイフリッジ


クサリがしっかりしているので安心(右側が切れ落ちている)



むしろ、こっちの方が要注意.踏み跡がある左下を通り、つまづいて左に転げ落ちると奈落の底.通過は右側を登る



ハシゴ


ハシゴ
 僅かの距離で岩場が過ぎハシゴが出て来た.しっかりした造りで不安はない.ただ、多くのハイカーによって踏まれ、踏面が削られている.結構太い角材を使っているので、すぐに折れるということはないと思うけど、メンテナンスを考えると大変だ.クサリとハシゴが更に連続し、急斜面に高度を上げていく.

 クサリを使って岩場を登り切ると「刀利天狗」の石碑や壊れかけた社、壊れかける前の社、石碑多数の賑やかな場所に出た.一人旅だとこういう場所は何となく薄気味悪い(←爺だけ?) 標高約2050mとGPSは教えてくれた.地図は見ない.え〜〜ッまだこんな所かよ、、に、なってしまう.

 「刀利天狗」を過ぎ、平坦な道が続く.歩き易いから有り難い.何処から引き返すにしても、これなら充分距離が稼げる.”2000mで引き返したというのと、2500mまで登った”というのは、感じ方が違ってくるだろう(の様に見える).へ、水平道で標高は稼げるのか? むむむ、まあ置いといて.

 道脇に真っ白い小さな花が目についた.これはたしかズダヤクシュとかいう花だったなあ.此処まであまり花は咲いていなかった.時期的なものだろうか.そんな事を考えながら僅かに下ると小広場に出た.


クサリ場を登って・・・


刀利天狗の祠や石碑 一枚に収まらない


歩き易い水平道


苔が多く生えてる道



何で指導標が後ろ向きに建てられてるかと ?に思った



下りてきて、成る程


五合目小屋跡
 小広場は「五合目小屋跡」 らしい.特に表示板とかはない.更に少し下ると浅い岩室に祠がある鞍部に着く.凄い数の石碑やら、お地蔵さんやらが祀ってある.持ち上げる人も大変な労力だけど、頼み事を聞かれる神様も困るに違いない.数えてみようかなと思ったが止めた.

 祠の前に戻って、岩室の上を見上げると何やら赤い花が咲いている.衰えたAF老眼では何の花か区別がつかない.多分、イワカガミとかじゃないだろうか、ズームで撮って後で確認しましょう.と、コンデジで狙っていたら、後ろから人が下りてくる音がする.ちょっと驚いて振り向くと、ポッカさんが爽やかに笑いながら挨拶してきた.

 何故、ポッカさんだと判ったかって? そりゃあ、背中の荷物が違いますね(笑) 少し、話をして先に行ってもらう.別れ際に「泊まりですか?」 と、聞かれ「日帰りです」と返したら、ポッカさんが時計を見たので、慌てて「行ける所まで・・」 と、付け加えた(^_^;;

 何と、今年三人目のポッカさんも女性だった.(硫黄岳、十文字峠) 甲信越の女性って
凄〜〜い




浅い岩室の上に赤い花.イワカガミでした



七丈小屋のポッカさん カッコイイ女性です



ハシゴ 踏面がかなり削られている


ハシゴ
 そこからハシゴとクサリが連続する.中には垂直に近い物もあるけど、うんと長い訳ではないからことさら怖がる必要はない.適当に踊り場が造られているので、仮に落下してもそこで止まるでしょう(多分←運が悪いと・・・さて )

 ハシゴとクサリ場が終わって岩場の斜面で、上から若い男性ハイカーが下りてきた.もう下山か、、、早いなあ.挨拶をし、聞くと出掛けたのは午前3時半位だという.今、10時丁度.此処を少し登れば小屋ですよ、と、教えてもらい若干元気が出てくる.9時半頃には山頂に着いたがガスで展望はあまり良くなかったとの事.

 こちらは、へばっているので山頂迄行けるかどうか判らないです、と言ったら、笑いながら頑張って、と 下りて行った.若い人の笑い顔って良いなあ.

 ひと登りで小屋に着いた.誰も休憩とかはしていない.道の左手に飲み物が冷やしてある.此処で水が得られる様だ(100円) 上で水が空になっても安心.パンをかじりながら登りを続ける.


ハシゴ


親子橋(ウソです)


ちょっと見辛いけどハシゴ


ハシゴ



ほぼ垂直、上から見て



まだあります


まだまだあります


七丈第一小屋


七丈第二小屋 登山道は右のハシゴ


下のテン場


左に蕗? 上がって右に上のテン場
 テン場を二ヶ所過ぎ、ダケカンバの低木帯の岩斜面で男性ハイカーが下りてきた.爺はまだ低木帯の陰になっているのでハイカーはこちらに気付いてない.この岩斜面には右に巻き道がある様で、何と、ハイカーは斜面を下りその巻き道の方に歩いて行ってしまった.下りる人なのか登る人なのか判断はつかず、岩斜面を登っていくと、巻き道から再び斜面に入り下りてきた.そして「あれっ?」 ははあ、下りる方向を間違えたな. 「下山はこっちですよ」 と、一応教えてあげた. 「いやあ、下りてきたら何だか判らなくなってしまって・・・」 振り返ると岩斜面を下りきった所にしっかり指導標があったんですけどね.

 ハイカーと別れ、更に登りを続けるが、足が攣りそうになり、疲労ピーク.八合目まではとヨタヨタ登る.八合目(と思われる) 鳥居跡と石碑があるピークもどきに着いて引き返すかどうか自問自答.此処で地面に座り込み、おにぎりを食べた.パサパサでさっぱり美味しくない.水で流し込み、ミニパンも食べた.パンの中に入っているレーズンは刺激があって美味しい.案外体力は回復してきている様な気がする.攣りそうだった足も復活したようだし、、、

 取り敢えずもう少し行ってみようか、
カンロ飴を口に放り込み出発.


石碑と祠


石碑と剣 ガスだから見る物はこれ位



イワカガミは色が濃い




開けてる様だけど(ガスで)展望ゼロ.疲れがピークに・・・ 此処でヘロバテ尾根と命名(笑)



八合目(帰るかどうか思案ハチ)


イワカガミは綺麗だけど
 下った所で上から単独若者が下りてきた.挨拶したら若者は横になった根っこに腰掛け、「いやあ疲れますね」、「あたしも、もうバテバテなんすよ.上まで行けるかどうか.たはは」 「此処から山頂が見えるんだけどガスでダメですね」 「山頂ではどうでした?」 「殆どダメでした」 そうか、ガスでダメなのか.「多少、クサリはあるけど、山頂はあと一息ですよ」 おお、あと一息か.又、少しやる気が出て来た.「あ!あと二息かな、あはは」 ま、まあいいけど(^_^;;  お陰で元気が出て来た.

 すぐにクサリが垂れ下がっている一枚岩だ.岩にステップが刻まれている.丸い窪みの様になっている.滑る事はないけど、クサリを頼りの腕力勝負でよじ登る.高さ4mかそれ位.次は高さがそれ程ないけど、足場がないハング岩へのズリズリ登り.これもクサリ頼り.

 ルンゼ風の狭い斜面を登っている時、上から男性2人が下りてきた.こちらは疲れているので先に降りて下さいと声をかけた.上の人も降りますと言ったとき”あっ”と何か叫んだ.上を見ると何かが落ちてきたのが見えた.直撃はしないと判ったけど、左に身をかわした瞬間50cm位離れた右手をペットボトルが2、3度地面を叩きながら落ちていった.岩とかじゃないから大事になる事はないと思ったけど、勢いよく下に落ちていったペットボトルは満タン近く入っていた様で、それでも破れる事はなかった.

 上から、大丈夫ですか、済みません済みません と、言って降りてきた.心配ないです、大丈夫ですと言ったら安心した様だった.



濡れてる時はどうか判らないけど、岩は滑りにくかった.腕力で・・・



岩場右斜面に、白いのはハクサンイチゲ


イワカガミが旬の様です.ガスで遠くは見えないから近くを・・・



一瞬、見えたりするけどすぐに隠れてしまう



お馴染みの剣


ハイマツの中を緩く登って行きます
 ハイマツ帯に出てもガスはとれない.やっぱりダメか.と、思いながら登って行く.此処までくると引き返す気分も無くなってしまった.気のせいか、足の重さも和らぐ.石造りの(大きい)祠(←むしろ、社か)と剣があり、此処は九合目だろうか、、それにしても、上の方にも何かある.

 砂礫地を緩く登ると分岐があった.北沢峠からの道を合わせてる所.上から男女一組が下りてきた.えらい軽装である.男性はかなり薄いディザック.女性は腰にボトルケースをぶら下げてるだけ.何処かに荷物をデポして来てるのだろう.一登りで山頂に着いた.特別な感慨はない.強いて言えば、これで帰れる・・・だろうか.

 頂上には男性2人組、男性1人の3人だけ.時間が遅いからまあこんなものだろう.ガスでほぼ見えないから、サンドイッチで腹ごしらえをしておきましょう.食べ終えた頃、3人は下りて行った.北沢峠方向に下りている.

 ガスが若干取れたりかかったりを繰り返しているので、デジ一を出して準備しておく.ほんとはゆっくりもしてられないんだけどね(笑)


祠、石碑、剣 上にも 九合目か?


北沢峠への分岐.上に山頂の祠



山頂〜♪




少しの間ガスがとれて 黒戸尾根




北沢峠方向、砂礫地




摩利支天




下山開始後、ハイマツ帯から西側、そっちも険しそうです

 遠くは見えず残念だったけど、下山にかからねばならない.途中で又デジ一を出して道草をくったり、花を撮ったりで下山も(爺の場合)極めて時間がかかる.最も、この時間帯になるとヘッデンは覚悟なので、明るい内に何処まで下りればよいか考えておく.登ってくる間にその事を予習してきたが、さすが爺(爆)

 (下山では)刃渡りを過ぎれば、ハシゴもクサリもほぼ無くなり、道は一本で判り易い.ヘッデンでも充分歩ける.勿論予備電池も持って来ている.ヘッデンは、出掛ける前に点灯試験は行っている.万全! こうなると、気分的にも余裕が出てくるものなのである.

 七丈小屋に着き、水とコーラを所望する.コーラはすぐに飲む.美味しいの一言.あのポッカ女史さんが出て来ていろいろ情報を得る.ヘッデン持ってる? 一本道だから大丈夫ね.気をつけて、、に、お礼を言い小屋を後にした.噂に違わぬ暖かい対応、感謝です.

 ヘッデンは駐車場に着く20分前に装着.駐車場着は午後7:50. さすが鈍足爺、かなり、かかりましたなあ.

 下山中、一度だけ間違えた.ヘッデンの中、分岐を渓谷歩道の方に歩いて行ってしまい、吊り橋を渡っている途中で気が付いた.へ?確か吊り橋には吊り綱を支える大きな柱が二つあった筈.こちらにはない.吊り橋からヘッデンで下を照らしてみると、沢の水があまりない.分岐まで戻って、みるとすぐに大きな柱が二つある吊り橋に出た.良かった、良かった.
下手ですがデジ一画像もどうぞ           Photo Nikon P7800 二代目 

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