◇紅葉見物◇

茨城県 大子町
大円地〜裏縦走路
迷走して竜神川に下り、何とか帰着



                  



2015,11,20 訪問


(時間やルートは参考にしない事)
              
  昨年、奥久慈男体山に登ったのは11月25日.鷹取岩を見て来ようと計画したけど種々の理由で見る事は出来なかった.今日(11月20日)紅葉の旬はまだ少し早いかも知れない.

 ”もみじ谷”という所があるそうだ.通常は沢を遡行して辿り着く、知る人ぞ知るの所らしい.概ねの場所にアタリをつけ、地形図と照らし合わせながら久し振りに検討の真似事をしてみる.裏縦走路というルートがあって時間はかかる様だが行く事は可能な様だ. 更に、一般縦走路に出られて帰路鷹取岩などを見られれば、これは儲け物.

 誰もいない大円地駐車場に車を駐め、朝飯のカップキツネを食べている間に一台が入ってきて、ぺったんこのザックを背負い、トレラン風の男性がそそくさと出発していった.

 支度をして爺も出発する.今の天気はあまり良くない.ま、雨さえ降らなければ良いと思ってるから心配はしていない.撮影にとって好天より薄日か薄曇りの方が、撮影しやすく色乗りが良いというのは常識.(←写真の上手な人が言う事) でも、やっぱり爺はスカッと晴れてくれた方が嬉しい.ハイキング気分は最高だし、撮影が下手だからそれも理由に出来る.

 大円地越の手前で木々の間から雲海が見えた.せっかくだから撮っていきましょうと、大円地越から男体山側に登って行く.確か、展望の良い場所があったはず.急ぎ気味にその場所に着くと、雲海はどんどん消えていく.急いで撮ってみたけど、木々の間から見えていた時に比べ半分位消えていた.


(デジ一)雲海 大円地越〜男体山間の好展望地から 9:00頃


駐車場出発 7:45


雲が多い


一般コースをゆっくり登って行きます


大円地越 8:35


男体山側へ少し登ります


紅葉が陽光に映えます
 大円地越に戻り、鷹取岩・篭岩方向に登って行く.特に難儀な所もなく昨年より早かったかなと思われる紅葉の進み具合を見ながら小草越に着いた.伐採用林道があって、そこからの下山ルートはトラロープで閉鎖されていた.昨年下降し、難儀した状態では無理もない.林道から枯れたスズタケの中を登り、縦走路から裏縦走路に別れて登って行く.テープも標識もないが道は判りやすい.先程まで青空だったけど雲が広がり青空は僅かになってしまった.それでも、降ってくる気配はまだない.

 判りやすい道を幾つかピークを越えて536Pに着く.
此処から大失態.次のピークで歩き易い道に引きづられ、南西に行くべき所を南東に行ってしまった.腰高の笹の下にはしっかりとした踏み後がある.間もなく右斜面に赤く色づいたカエデが沢山見えてきた.おお、此処が例の谷か! と、笹藪を下降し藪が切れた所でザックを下ろした.尾根形の左右は沢の源頭の様な地形だ.カエデはどちらにもあり、渓に向かって右側の方に大きな木がある.但し、やや傾斜があり半分以上は緑のままだ.赤リボンのある近くに陣取り、取り敢えずコンデジだけ持って辺りの様子を見てみる.モミジは綺麗だ.ただ、踏み跡はなく果たして(裏ではない)縦走路の方へ行けるのかどうか判らなかった.戻る方が正解かな、縦走路分岐から此処までおよそ1時間強.帰路、鷹取岩に寄っても明るい内に帰れるだろう・・・と、此処までは冷静.


一旦、大円地越に戻ります


どなたかの忘れ物ですね


笹道の脇には


モミジが紅く色づいてます


黄色いのは何でしょう


・・・


男体山遠望 この時はまだ青空がありました


これから辿る稜線


お! 作業林道が出来てますよ


小草越、昨年は此処を下りて行ったんですが・・・ 10:15


今日は、林道から右へ登って行きます


男体山が少し遠くなりました


分岐です.標識はありませんが、真っ直ぐ登って裏縦走路


枯れスズタケの道に倒木


縦走路の様子です 緑の笹が出たり・・・


枯れた笹になったり


大きなモミジの木が多い渓


(谷に向かって右)緑の木も沢山ありました これから紅くなるのでしょうか


(谷に向かって左)紅葉してるものが多いけど木はそれ程高くない
 一通り観察して休憩地に戻り、三脚にデジ一をセットし、まず空腹を満たす事にした.この頃こればっかりの冷たいお弁当.半分程食べた時、上の方から大きなガサガサ音を出し、勢いよく藪を下りて来た人がいた.ビックリして心臓が止まるかと思った.(此処が目的の渓と思っている爺は) こういう日でも見学者がいるんだね〜と、感心しながらご挨拶.赤いザックを背負ったがっちり体格の初老男性は、晴れて無くて残念だね、でも降られてないから・・・ と言い残し、サッサと尾根を下って行ってしまった.成る程、やはり此処からあっちへ行くと良い訳だな、と、前述の”来た所戻り計画”はどっかの空.当初のルートを再び描いて爺は撮影タイムに入る.誰もいないし、道もない斜面の広場だから自由自在.

 こんな深山、帰りも長い.未練がましくコンデジでカシャカシャ撮りながら出掛ける支度をする.忘れ物がないか辺りを見回し、尾根を下りて行く.踏み後はなく先程の人が歩いたと思われる、落ち葉がひっくり返された跡を辿っていくが、それもじきに無くなった.下るのに大変だと言う事もなく沢形に降り立つ.そのまま沢形を下降していくと岩が目立つ様になり、前方に涸れ滝の頭が見えてきた.岩は湿っているから良く滑る.涸れ滝の頭には近づかずその手前から左岸に這い上がり、小尾根をおりていく.こんな所をあの人は下りて行ったのだろうか.←僅かの不安が持ち上がってきた.


がっちり体格ハイカーさんは此処を向うへ下りて行きました


下りて行く途中にも紅いのが沢山あって時間がかかります(笑)


ね! ただ、空は曇ってるんです
 再び沢形に下りて間もなく水が出て来た.右からも沢が水僅かで合流しており、そっちの方には4−5m程の滑滝が落ちていた.近づいて、水をちょっと飲んでみたがそれ程冷たくなく、あまり美味しく感じられない.下降してきた沢に戻って、更に下降を続けるとこちらにも滝が出て、これは下りられない.滝の向には水の多い広い沢が左から流れ込んでいる.目の前の滝は右岸の高巻きになり、広い沢の下流に下りる事が出来た.何だか様子が変だ.渓は湯沢の源頭で水は少ない筈だ.そもそも、下降なんかしていて良いのか.GPSをONにした.紙地図と照らし合わせてもさっぱり判らない所にいる.第一、この付近で地図に水線が表記されているのは竜神川位しかないだろう.まさかそんな、バカな・・・・ 水線を下にスクロールしてみると その、まさかだった.

 紙地図は歩く部分を重点に拡大しコピーしたものと、それぞれの位置が概ね把握できる広い部分のコピーをしたものを持ってきたので、竜神川は入っているけど細かい場所は判らない.拡大コピーの方は竜神川は入っていない.GPSの小さな画面だけで判断出来る程、爺に地図解像力(読解力?)はない.東に西にとスクロールしてみたりもするが時間の無駄の気がしてくる.ただ、あのモミジの多い赤テープ斜面から真東にいる様だ.



沢形へ下りました・・・間もなく水が出てくる


右枝沢の滝


何だかゴルジュっぽくなって・・・


滝の上に出ましたよ、下りられません 左から広い沢が・・・
 何処か沢の右岸斜面に取り付き紙地図で確認出来る尾根まで登った方が良さそうだ.沢は広く河原は結構歩き易いので登りが楽そうな取り付きを探しながら100mちょっと降ると左岸に看板があった.水量の少ない沢が左から合流し、その方向に向けて「武生林道方面」とある.沢沿いには消えかかっている踏み跡もあった.武生が何処か知らないけど、かなり立派な看板を見ると少しホッとする.この踏み跡は何処からきているのか対岸(右岸)を探してみた.急な斜面があり、その裾に何となくだが踏み跡みたいなものがあった.取り敢えず近づいてみると枯れ枝に古いジュースの空き缶が突き刺してあった.何となくこれかと思い辿っていくがすぐに崖に突き当たり沢に下りた.どちらかと言えば沢の方が歩き易い.概ね小石の河原歩きで河原のない所は両岸のへつり.さほど難儀な所はなく淵に10−15cm程の小魚が沢山泳いでいるのを見ながら、つい下降を続けてしまった.

 まずかった・・・と、思った時は後のカーニバル.もうちょっと楽な取り付きはないものかと探しながらではあるもののかなり下降してしまった.現在時刻は14:20.早く登山道に復帰しなければ、ちょっとやっかいな事になりそうだ、と、自戒の念を湧きだたせてもみる.しかし、こういう時に限って両岸崖で取り付ける斜面がない.そうこうしている内、前方がゴルジュっぽい様相をしてきた.あれま、滝ですよ.本流を絞って勢いよく落ちている.沢の遡下降装備ならいざしらず、ザイルも無しのトレッキングシューズでは地獄の釜に飛び込む様なものだ.当然右岸の高巻きになる


広い沢におりました 正面が下降してきた沢


結構立派な案内板と踏み後(広い沢より) 14:00


此処までかな・・・ 少し戻って右岸に渡り大高巻き
 大きな木が根っこ事ごと倒れ斜面を塞いでいて越えづらい所は更に上に追いやられ、四苦八苦して沢に下りた.上流ゴルジュの滝は僅か2−3m位だった.少し下流へ行くと又ゴルジュ.右斜面に小尾根が下りて来ていて僅かに登れそうな雰囲気.ゴルジュを巻く様に小尾根を登りながらトラバース.今度は前方に滝が枝沢となって塞ぐ.水は流れている様で幅は広くない.しかし横断出来るかどうか判らない.GPSを見ると西から破線が延びてきている.これは篭岩山からの道の様だ.少し大変だけどこの小尾根を登って行けそうなら篭岩山に出よう.そこは一度訪れているし何となく判るだろう.ただ、車道歩きはどれ位になるのか・・・

 小尾根を登り始めてすぐに踏み後が出て来た.笹藪の尾根上にまっすぐ西に向かっている.斜度もそれ程きつくない.485m程のピークっぽい岩場の上で休憩.500m位のピークで踏み後はT字分岐になっている.此処でかなり(考えが)迷った.篭岩へ行けば、一般縦走路へ出て戻れるだろう.だが、何処かでヘッデンになってしまい歩いた事がない道は危険だ.今日歩いた”裏縦走路”に危険な所はほぼなかった.一も二もなく此処は裏縦走路に出ましょう.と、T字路を右折.数個のアップダウンを通過し、もみじ斜面の赤テープを見た時はホッとするやらガックリするやら・・・一人で笑ってしまった.時刻は既に午後4時25分頃で辺りは薄暗い.



高巻き中 下に滝が見えます


笹藪の中の踏み後を撮ったつもりだったのですが


笹藪から開放されて・・・


右から登ってきて(多分)篭岩からくる道に出ました 向うへ進路をとります


モミジの多い斜面に戻ってきました16:25
 550m位のピークが二つ続いている辺りで雨がパラついてきた.此処まで降られなかったのはラッキーだった.暗いけど目はその暗さに慣れてきているのでもう少し歩けそうだったがカッパを着てヘッデンを着けた.足元が際立って明るい.安心度が増す.

 縦走路分岐手前のピークで、道を間違えた.このピークは笹が切れて岩が露出している.分岐方向から登ってくる道は笹の葉に覆われてるから判りにくい.一方その数メートル(3mかそれ位)左には枯れたスズタケの中にハッキリと”道”がヘッデンに浮かびあがる.何の疑いもなくそっちへ引き込まれる.2−30mは下りただろうか.辺りは針葉樹林の中だ.”道”は相変わらずハッキリしている.でも、おかしい! 分岐からこっち針葉樹林の中を歩いた記憶がないのだ.裏縦走路の稜線に、勿論針葉樹林はあった.だが、(稜線)道の片側だけだった.でも道は続いている.試しに、ヘッデンを消してみた.右上、木の向う、空との境界に 爺が辿るべき尾根形が見えた.


大円地越着 18:50


健脚、一般コース分岐着 19:30


デジ一


デジ一


デジ一


デジ一
大ざっぱな迷走地図 デジ一と表記のある画像以外は → Photo Nikon P7800 

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当レポは
写真撮影だったり適当に歩いたりで、時間やルートは参考になりません.
仮に当レポを見て行かれる場合は予め情報を収集していただき、計画を
充分に立ててから実行して下さい.