山登り

長野県大町市他
種池〜針ノ木岳(2)
種池山荘〜岩小屋沢岳〜
鳴沢岳
いわごやざわたけ:2630m
なるさわだけ:2641m



                  



2021,7,16 訪問


(時間などは参考になりません)
              
 爺は、かなりの年だから眠れないとトイレに結構立つ.一回200円の協賛金だから、800円かかってしまった.別に強制な訳ではないようだし、深夜は誰も見てないから素通りしても構わないのだろうけど、ただで済ましてしまうと後味が悪い.ま、こういう時の為に小銭をいっぱい用意してきた.

 午前2時半頃までウダウダと布団の中で過ごし、乾燥室へ雨具を取りに行ったり外に出て星が出てないか、とかで時間を潰す.午前3時になり、部屋に出してあった荷物をザックに詰めるが、すぐに終わる.ガサガサしても部屋には一人だから これは気楽なものだ.
 但し、今回は早出の支度で同室の人達に迷惑が掛かるからと、レジ袋ポリ袋のガサガサするものは持って来ていない. 入れ物は雨具用のビニール袋を除き、百均のトートバッグを用意してきた.ま、一人部屋だったから、その必要もなかったけど.
 布団などの後片付けも済み、あまり音を立てないように階下に下りて登山靴を履いてると、小屋のスタッフさん(男性)が出てきた.トイレの用足しらしい. 「おや、もうお出かけですか? 気を付けて」 声を掛けられ 「いやあ、足は遅いし写真撮りで道草はするし 出来れば明るい内に登山口に下りたいので」 

 昨日、小屋の人と話したことを思い出した. 「此処へ戻ってくるんですよね」 と、どうやら鹿島槍ヶ岳に登ると思ってるようだ.「いやあ、針ノ木雪渓を下りて、扇沢駅に下山しますから、戻りません」
 「ああ、そうですか.新越山荘まではスタッフが歩いてるので道の状態は見てるんですが、そこから先はあまり通ってないので、状況を確認出来てません.充分気をつけてください」 「ありがとうございます、気を付けて行きます」 

 朝飯には早いけど、ランチパックを食べ、ヘッデンを着けヘルメットを被り出発、

 今日は晴れそうだ.  7/15 柏原新道〜種池山荘


キヌガサソウ


アオノツガザクラか?



爺ヶ岳 左ちょっと下に点の様な光、種池小屋

 小屋を出て空を見上げると雲の多い中に星が見える.すぐに池がある.ああ、これは昨日小屋の人が言っていた種池≠セな.サンショウウオが棲んでるんだそうだ.そう広くないテン場に出て直進したが道がない. あれ?どっちへ行くんだ? 半周し、暗いのと草が道に被って判りづらかった道をみつけ入って行く.

 すぐにハッキリした道を進んで行くと残雪があり道を隠す.ま、隠すと言っても掘割になってるような感じなので道型は判る.残雪が終わると、左に数個の白い花がヘッデンの光に反射して浮かぶ.あら〜、キヌガサソウですよ.旬で皆綺麗なものだ.暗いからフラッシュ撮影になるが、当然白飛びになる.続いてアオノツガザクラ、イワカガミの群生.ま、初めて見る花達ではないから上手く撮れなくても仕方がない.という事にする.惜しいけど.これからも出てくるだろうしね.

 東側(安曇野や大町市などかな) は厚く雲海が覆っている.

 東の方が少しづつ明るくなってくる.あらあ、シラネアオイも咲いてるのか・・・これもフラッシュ撮影だったけど出来が良くない.明るい時に見たかったなあ(←シラネアオイは好きな花の一つです)




朝日が登ってくる




左、鹿島槍ヶ岳 (見た目はもう少し赤い) 4:20頃



キヌガサソウが沢山 フラッシュ撮影したけど失敗・・・


明るくなってヘッデンを消します
 辺りはまだ薄暗いのでどういう所を歩いているのか判らないけど、かなり開けている場所の様で、東側がどんどん明るくなってくるのが見える.ややオレンジ色に染まる空を背景にピラミダルな山容は爺ヶ岳だろう.よく目を凝らしてみるとその中腹付近に小さな明かりが見える.それは種池小屋だ.

 緩い弧を描いて二つの鋭鋒が目立つ.頂が雲をバックにしているのは鹿島槍ヶ岳だ.まだ、それ程(朝日で)赤くはないけど、もっと赤くなるのだろうか? そうなれば嬉しいが. 昨日の雨で笹や低灌木の枝葉には水滴が多い.触れるたびに濡れていくが気にならない.道は良いし、何度も振り返って光景を眺め、D810を出して撮っておく.早速の足止めだ(笑)

 鳥が飛んできて木の先端に止まった.鳴き声もなく、首だけキョロキョロさせている.鳥にはあまり詳しくないから、高山だとホシガラスくらいで、その類かなと思うが.大きさはハトくらいあったかな.

 尾根を回り込み、稜線の西側を登るようになると西の空が少し赤味を帯びてくる.足元も明るくヘッデンは消して歩いても問題はない.




立山連峰




見事じゃあ
 



赤味が取れてきたなぁ〜

 その、やや赤味を帯びた空の中に残雪の多い荒々しい山並み(ちょっと形容が・・・)が現れた.ははあ、これは小屋の人が言っていた「稜線から、立山連峰≠ェ良く見えますよ」 の、山並みだね.素晴らしい光景である.どの山が何という名前なのか、帰ってから調べよう.(劔岳や前劔でした)
 D810を出してガシャガシャと撮りまくる. 又、時間がかかるなあ(笑) 撮影の為、いちいちザックを下ろすのはめんどくさいし、時間もそれなりにかかる.道も良い.D810も首にぶら下げて歩くことにする.(しばらく、そうして歩いたが、カメラの重さで首が痛くなり元の通りザックに入れる.出したり仕舞ったりで時間がかかるけど仕方ないな)

 地図のルートは稜線中央を通る様になっているが、2540m級ピークを避けて道は西側につけられている(後で判った) 振り返ると鹿島槍とその北峰が綺麗に見えている.山本体様子は登らないと判らないと思うけど、その山の姿の良さは、少し離れて望むと良く判る. 


ハイマツの中を緩く登って


前方右に山が出てきた



前方は岩小屋沢岳



シナノキンバイ



キバナノコマノツメ



青空でなくても・・





雲海の向こうに山が見えるけど
キバナノコマノツメ
葉の形が馬の蹄(ひづめ)に似ているから
なんだそうだ.
 キバナノコマノツメやシナノキンバイなどが咲いてる中に、ネバリノギランか? と思う地味な花が数株あった.丈は10-15cm位.ちょっと触ると花粉が飛ぶ.あれ?ネバリ・・は花粉が飛ぶんだっけ? もう一度そっと触ってみる.やはり、パサパサと花粉がこぼれる様に.ふーん、何だろう.この後、見る事はなかった.

 ハイマツと低灌木の中、枝葉に残る雫を浴びながら@ナ線に抜け出ると 
前方にはこれから行く山々が良く見える.聳える頂きは岩小屋沢岳だろうか.足元はザレになり左側は切れ落ちているから、歩行には多少の注意が必要だ.
 更には、雲海の遠くに山が見える.何処の山だろう? 

 コスモスの葉の様な草があった.花でも咲くのかな? 




蓮華岳



花が咲くのではないかと思って撮ってきた


又、良く見える所に出た
 延々と続く光景と足元の花々が足枷になり、歩行速度は極めて牛歩(牛さんに失礼だよな--笑) もう、この時点でヘッデン確実だなあ、と、妙な確信.年だから早くも歩けないし、此処へ又来られるという事はもうないだろう.だから、一所懸命、目に焼き付けておかなければならない.(←蓄積能力の衰えた老記憶装置はすぐに忘れる)

 立山連峰の事、もう少し詳しく調べてくれば良かったなあ・・劔岳なんて、まるで縁がない山だしもっと奥にあって(山の)頭ぐらいしか見られないものだと思っていた(←どこか次元が狂っているアホ爺)

 ザレ場の登りで足元に小さな花をみつけた.クワガタソウの仲間だとすぐ判った.以前見たバンダイクワガタ≠ノよく似ていたからである.帰ってから調べたらミヤマクワガタ≠セった.バンダイ・・のそれと似ているとはいえ、初めてみる花なので嬉しい.が、谷から吹き上げてくる僅かな風にも揺れてピントが合わない〜.



振り返って かっこいいねえ




荒々しい山だね〜(後で調べたら劔岳、有名だよね、、ああ 恥かしい)








ミヤマクワガタ


際どい所は右へ入って行くようです
 道は総じて歩き易い.この山域への思い入れと、そういう人達が整備に尽力を注がれてるお陰だと思う良く判る.それでも、ザレ場で左側が切れ落ちている所は注意が必要.スリップや転倒などで転げ落ちたらと思うと、恐ろしい.こういう場所は幾つかある.特にロープとか張られてる訳ではない.右のハイマツなどの枝に掴まりながら進む.時々ハイマツの松脂(まつやに)が手にくっつきネバネバ.その度に枝葉の雫で手指を洗う.

 花を観て、景色を観て、岩小屋沢岳に到着.ほぼ同時にGPSがピーっと鳴った.電池が切れたらしい.水を飲み予備電池と交換する.んーー、又起動不良.カードがうまく固定出来てないのだろう.すぐ直ると思ったが、駄目だった.ま、迷うこともないだろうから、GPSなしで歩く事にする.地図も磁石もある. 



振り返る ・・何度見ても良い姿です





近くなってきた



ミヤマキンポウゲ


コイワカガミ


アオノツガザクラ


中々着かないなあ



タカネナナカマドを前景に劔岳



ツガザクラ


・・・


向こうのピークは多分鳴沢岳だろう、写ってない道を左に登って・・


岩小屋沢岳山頂 6:10



立山連峰が一望

 山名柱から僅かの岩ピークに立つとほぼ360度の大展望.水を飲んでクッキーを食べ景色を楽しむ.これまで来た道、これから歩く道が見えるけど、他にハイカーの姿は見えない.あまり歩いてる人はいないよ、という小屋の人の話を、又思い出した.みんな、鹿島槍ヶ岳の方へ行ってるんだろう.有名だからなあ、あっちは.
 
 山頂の岩の間に白い花が咲いていた.ツメクサの仲間とはすぐ判った.タカネツメクサというのは八ヶ岳とかで見ているけど、ちょっと違う.ウシハコベの様な花びらだ.(後で調べたらイワツメクサという花だった) 

 山岳風景といい、花といい 此処まででも充分であるが、道草ばかりの鈍足爺にとって先は長い.岩小屋沢岳を後にして下って行くと、小屋が見える.新越山荘だ.下る途中、長靴で登って来た小屋のスタッフさんとご挨拶して擦れ違う.この下りも花の多い所だ.足は止まりっぱなし.今日中に下山出来るのか、オイ.



山頂から 東北方向




山頂から東方向



イワツメクサ


丈の低いハクサンシャクナゲ 花は殆ど蕾


ミヤマダイコンソウ


新越山荘が見えてきた


ハクサンイチゲ


針ノ木雪渓(右)



手前から 鳴沢岳、赤沢岳、岩っぽいスバリ岳、三角の針ノ木岳

 小屋に着くと中から声が聞こえる.小屋のスタッフさん達が開店(?)準備をしてるようだ.水を飲み黒コッペパンを食べてペラペラパーカを脱ぐ.これまで大した登りもなく汗もかくことはなかったが、太陽が出てきて暑い.水は種池小屋でサービスに貰った1リットルと残ってたペットボトル1本.ボトル型缶コーヒー1本.水分消費の少ない爺には充分.

 小屋の真正面には針ノ木岳や蓮華岳、これから下る針ノ木雪渓も良く見える.ムムム、遠いねオイ!

 少しの休憩を終え、出発.次の目標となるのは鳴沢岳.そこの標高が2641m.此処の標高は2462m. その標高差は180m弱.途中小ピークはあるが、殆ど登り一辺倒だ.少ない標高差は助かる.登って行くと、小屋からも見えた滝が、そこより少し大きく見えた.あらま、滝だと思ったら、細い雪渓でした.



山荘着 7:10 (道草喰い過ぎたなぁ・・・)


が、花があると足は止まる ショウジョウバカマ


シナノキンバイ

シラネアオイ



鹿島槍の左は五龍岳か あとは?



岩場、ここは難儀ではない


ゲ、あのピークに登るのかい、 道は斜めに付いている(ホッ)


振り返って岩小屋沢岳 後ろは爺ヶ岳でしょうかね


何処まで切れ落ちているのやら



滝に見えていたのは細い雪渓でした

 Photo Nikon D5600 

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当レポは
写真撮影だったり適当に歩いたりで、時間やルートは参考になりません.
仮に当レポを見て行かれる場合は予め情報を収集していただき、計画を
充分に立ててから実行して下さい.