◇滝見と山登り◇

山梨県韮崎市他
ドンドコ沢の滝と鳳凰三山

鳳凰小屋〜中道下降 編
地蔵ヶ岳:2764m
観音ヶ岳:2840m
薬師ヶ岳:2780m


                  



2014年 8月28日〜29日


(時間やルートは参考にしない事)
              
 鳳凰小屋でカッパを脱ぎ、身体を楽にする.小屋には可愛い小屋番さんがいて、暖かいご挨拶.コーラを所望したが売り切れで三ツ矢サイダーを2本買った.保冷バッグに入れてきた凍らせたペットボトル(2本)は氷が半分ほど溶けているだけ.保冷剤も充分冷たい.サイダー缶を保冷バッグに入れ少し休憩.小屋番おねいさんといろいろお話を.小屋の前には花が沢山あり、その中でホウオウシャジンは固有種でここにしか咲いてない事や、ヤナギラン、タカネビランジなどの名前など教えてもらった.

 お腹が空いているので此処でお昼にしようかと思ったが、ガスも晴れて僅かだが青空も見えるから此処は鞍部まで登って風景を楽しみながらの昼食にしよう、と 飴を頬張り水場の水を飲んで可愛い小屋番さんにお礼を言い、灌木の中の登山道に入って行く.

 樹林帯が切れると急斜面の砂地になり、かなり登りづらい.意外に体力が奪われる.空腹もそれを助長する.足が重く歩くのが極端に遅くなった.鞍部が見えているのに遠い.小屋で飯喰ってくれば良かったなあ・・いや、この辺りで食べようか.それともちょっとパンをかじるか・・ いやいや、それでは今日お昼にと買ってきた冷やしうどんがまずくなる・・ など 訳の判らない理由で我慢の登り.




     
◆- 28日の滝見編 -◆


砂地が現れます


登りづらいです ヘーヘーです  オベリスクは左


左の上は観音岳頂上岩場?


まだ砂地のずるずる登りが続きます ヘロヘロ〜


疲れて振り返ると・・・


下を見ると足元には花が・・・



 岩の近くには教えて貰ったタカネビランジや、ホタルフクロ、ミヤマトリカブトなどが沢山咲いていて、休憩を兼ねて撮りまくった.やっとの思いでオベリスクの下までくると、オベリスクの右の岩場に人が登っているのが見えた.それを見たら又疲れが増えた(笑) あたしゃ見るだけで沢山. 

 鞍部に着いて枯れ木の上にどっかと腰を下ろし、サイダーを飲んだ.生き返った〜 とはこの事.が、我慢して開いたお昼の冷やしうどん.固いじゃないかッ 腰が強いという表現か〜 としょりに酷だよ・・・(涙) 
時間をかけて何とか食べたが、やはりソバの方が良かったか、、、でも、冷たいミニトマト、バナナ 何という贅沢♪


地蔵岳の象徴ですね


こんなのも撮ってみたりして・・・


取り敢えず やっとこさ地蔵岳


賽の河原・・・


あの上が赤抜け沢の頭・・・


振り返るともうガスが出てきました


エネルギー喰ったので元気になりました


曇りや雨、ガスも想定内なんだけど・・・



 冷やしうどんと格闘している間、どっからか鈴の音が聞こえていた.鳳凰小屋から誰とも会っていない.観音岳に続く稜線の南西方向からガスが沸き上がってきて、あっという間に全体を覆ってしまった.しかしガスの流れは速く散らばったり沸き上がったりを繰り返している.今日は日帰りを予定していたので、時刻的に検討すると、、、薬師岳から中道を降って林道に出るのに3時間位とすれば遅くとも3時半にいなければいけない.ガスの様子をみながら第一の目的場所を探してみよう.しかし今日はガスで全然駄目の様だが、僅かでも見られればその目的は果たした事にしよう(ま、自己満足の世界ですからね)
 観音岳の頂上は古い山頂看板と標柱はあったがガスで展望もないせいか何となく寂しい.落ち着ける様な所でもないので先へ急ぐ.あ、この三山の最高峰なのね.


あれ? どっち方面? 多分、南西だから下に見えるのは野呂川? 


岩場通過、ガスに巻かれても4−5mおきにペンキマーク


観音岳が近くなりました


更に近くなりました〜♪


よっこらしょっと・・・


タカネビランジが・・・


ここにも


ガスで遠くが見えないから近くをカシャ


カシャカシャ


さらにカシャッ


・・・・・


花壇風に岩を置いてますね いつまでもあります様に


鳳凰小屋への分岐です


ガスが濃くなったり


ハイマツ根っこを掴んで登り・・・


観音岳頂上かと思ったら、あっち


で、頂上です


次は、薬師ケ岳に向かいます


相変わらずガスの中をとぼとぼと


老眼を凝らしてみると薬師・・と読めます


薬師ヶ岳の山頂です



薬師小屋に向かう途中、何だかガスが晴れ明るくなった様な気がします


薬師小屋に着きました 午後4時ジャスト



 薬師ヶ岳に着いてもやはりガスは晴れず状況は変わらない.岩に腰を下ろしてしばし休憩.考え直し、再訪するのも大変なので、今日の下山は中止にし薬師小屋に泊まって明日朝探してみよう.と、決めた.薬師山頂から小屋は降って僅か.泊まり客の登山者は他に2組4人.ゆっくり寝られるし、晩ご飯はビールも飲めるぞ.
             ■訪れたかった理由 と 第一の目的■
 実は、初めて登った(いわゆる登山) 山が今回の鳳凰三山なのである.今の登山ガイド本なら低い山から初めて徐々に高さを上げて、、、とか何とか書いてあるだろうが、いきなりの高い山に(今なら)オイ大丈夫か? と、周囲から忠告の嵐だろう.

 40年前の私にとって「高い山」とは遠くから見る物で、登る時は山菜を摘んだり(食べられる)キノコを穫ったり、蛇が多かったりする所だった.そんな私に「山へ行こう」と声をかけてきたのは会社の一年後輩、ハヤシだった.どこへ行くかも聞かずに いいよ と答え、当日までに行き先は「鳳凰山」だと聞かされ、交通を簡単に説明を受けただけだと思う.すべてハヤシにおんぶにだっこだった.

 「鳳凰山」と言えば故郷(秋田県北秋田市の隣) の大館市(卒業高校はそこら辺り)にある500m位の山が思いついた.高校生の時友人と二人で水も持たずに”ズック靴”で登った事がある.どういう山だったか全く覚えていない.まあ、山なんてそんな程度にしか考えてなかった.就職した会社は千葉にあり、ハイキングと言えば保田鋸山くらい.千葉に高い山はなかった.私は結構スキーが好きで冬はやはりそのハヤシや私よりスキーが得意な先輩達と良く滑りに行った.今は名前が違うかも知れないが 石内丸山スキー場から始まり、苗場、八方尾根、湯沢、菅平、横手山等々

 さて、山へ行く事は決まったが道具はまるでない.ザック、靴、厚手の靴下、ニッカボッカ(ズボン)その他一式、ハヤシや同行するスギバヤシ(やはり一年後輩)が揃えてくれた.自分の物は、身体と下着とシャツ位.靴など足に合うのかどうか、当日履いてみるまで判らなかった.借りてきた食器(カップやコッヘル)を見て、山で何を食べるんだ?おでん等売ってるのか?(スキーでは良く売店でおでんを食べた) 良くこんな超初心者を彼らは山へ連れて行く気になったもんだ.彼らの○ソ度胸には今でも感心する.

 メンバーは前述のハヤシ、スギバヤシ、もう一人は残念だが顔は覚えているけど名前失念.私をいて彼らは時々山に登っているらしい.服装も決まっている.ザックは今の様な縦長でなく、横に長い.麻みたいなゴワゴワした材質で作られていて、これだけでそれなりに重い.食料は何を持っていったのかさっぱり覚えていない.当時流行っていた”ボンカレー”や 明星の”袋ラーメン”もあったかも知れない.ビスケットとかパンなども持って行っただろう.今思うとメモなど残しておけば良かったと思うが、、、

当時から写真撮りは好きで、カメラは( PENTAX SP を)35mmと135mmを持っていったし他の三人も自分のカメラ(多分みんな一眼レフだったか?)を持って行ったと思う.ハヤシから山は霞んでいる事が多いと聞いていたので、フイルムはマイクロネガフイルムを(カメラに)入れておいた.他の三人は現像代が高いカラーネガだ(ったと思う).マイクロネガフイルムは感度が低かったので三脚は持っていっただろう.

 車など持っていない時代だから交通は電車とバスだろう.夜叉~峠への登山口を朝早く薄暗い内に出発した事は覚えている.樹林帯の中あまり急坂はなくダラダラ登りがボディーブローの様に効いてきたのだった.途中、大きな横幅長ザックを担いだ単独登山者とすれ違ったのが印象として覚えている.名前の失念した一人が調子を崩し、南御室小屋で泊まる事になったので、彼にはスギバヤシが同行し明日合流する事を約束して私はハヤシと一緒に予定のビバーク地点へ進んだ(と言う事は記憶に鮮明).そこから薬師ヶ岳迄の途中に白い砂の斜面が強烈に目に焼き付いている(ん、それで白内障が・・・ウソ)

 長々とくだらない理由説明にお付き合いいただき感謝です.で、今回の目的はビバーク地点が何処だったか、手元の写真が、何処で撮ったものかその写真と同じ場所で同じように撮ってこようというもの.よそ様からみたら、長々と説明してきた割にその程度か、、、と、怒られそうですが・・・本人はいたって真剣です(笑) ほら、よくあるでしょ.人生終わりの際に”何が食べたい?”とか”何処へ行きたい”とか. いや、終わりにはまだもうちょっとあるけど、寝たきりになってしまってはこんな所来られないですからね(笑)



 いかんせん寝たのが夕食後すぐだから午後6時頃か.午後8時半頃に目が醒めてトイレ(は表て)に行く.上を見上げたら天の川と星々が近い.ただその周りは雲で覆われているから明日は晴天という訳にいかないだろう.戻って布団に入ったら又すぐ寝てしまった様だ.翌朝4時半に起きるまで何度か目が醒めたが、実に良く寝たもんだ.少し明るくなってきたので、カメラを持って外へ出た.西側がよく見えたので暗いが一応カメラに納める.東側は雲が多く御来光など縁がないがせっかくなので少し見てみよう.
 雲海と上空の雲との間に切れ目がありそこが次第に赤くなってきた.後ろを振り返ると甲斐駒ヶ岳がくっきりと浮かび上の方が赤味を帯びている.東側は更に赤くなり、太陽が一瞬だが顔を出した.御来光も中々良いものだ.小屋に帰り朝食を摂って僅かの支度をして出かけようとしたら、小屋のおねいさん(ここも二人のべっぴんさん)達に「もう出かけるの?」と声をかけられた.実は・・・・と簡単に説明し持ってきた(下のモノクロ)写真を見せたら、これは薬師岳のオベリスクで薬師から観音岳に向かう道の途中からではないか?と教えてくれた.又、その時登った時はこの小屋に記憶はないが、、、と聞いたら 小屋は40年前では無人の避難小屋だったらしいという.挨拶とお礼を言い小屋を後にした.


岩にカメラを置いて撮ってみました


昨日は見えなかった甲斐駒ヶ岳 北岳でした


人並みに御来光など撮ってみましょうか


雲があるから駄目かと思ったけど・・・


ほんの僅かですが顔を出してくれました


富士山が見えました 右下に薬師小屋


薬師ヶ岳山頂付近から甲斐駒ヶ岳 北岳


せっかくだからズームで思いっきり(笑)



 薬師ヶ岳に再び立つと、富士山が見えた.どこからでもその形で名前が判ってしまうのはやはり偉大である.観音ヶ岳への緩い登りでは振り返りながらカメラを薬師ヶ岳に向け、持ってきたモノクロ写真と見比べながらこの写真を撮った場所をみつけようと試みる.ある場所に来た時、ほぼ同じ画像なのでおそらくこの辺りだろうと決め、同じ様な画像をズーム倍率を変えながら十数枚撮ってモニターで確認.薬師ヶ岳に戻って今度はビバークしたと思われる所を探す.
 そこは簡単にみつかった.標高点2780mの北西にある砂地だ.ビバーク地点から夜見た下界の灯は韮崎市のものだった様だ.今までその灯は甲府と思っていたから今日から改める事にしよう(笑) さあ、あとは時間もゆっくりだしのんびり帰るだけです.(現在、この辺りは全て幕営禁止になっています)


こちらは40年前に撮ったもの (傷、カビなどは修正していません)


今回撮ったもの (やはり少し撮った位置が違うかも.又、カメラが僅かに傾いてしまったか・・・)


見下ろす尾根を下降して行くのでしょう.中央やや左に白い岩が見えます


で、これがその白い岩 そこから今度は見上げて


御座石


ものすご熟女2人 あっという間に降りて行きました

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当レポは
写真撮影だったり適当に歩いたりで、時間やルートは参考になりません.
仮に当レポを見て行かれる場合は予め情報を収集していただき、計画を
充分に立ててから実行して下さい.