山登り

岩手県奥州市
焼石岳
三合目登山口〜焼石沼まで

やけいしだけ:1548m



                  



2020,6,24 訪問


(時間は参考になりません)
              
 秋田市に住む兄がコロナ禍真っ盛りの最中に亡くなった.昨年の秋、誤飲性肺炎で危篤状態になり、一時回復したかにみえたが、やはり年齢で仕方がないのか、一年生きることは出来なかった.こういう時期であるから、普通の葬儀も出来なかった様で、当然こっちから見送りにも出席しなかった.一応、県を跨ぐ往来自粛が緩和されたら行くよ〜、と、義姉への了解の上で.

 6月19日に自粛が緩和されたのを機に、出掛ける事にした.お線香上げとお墓参りだけでのとんぼ返りでは、何となくせわしない.かといって、(喪の中での)観光など不謹慎の様に思えるし、観たいところがある訳でもない.とすると、季節も良いし、山でも登って来ようか ← これは不謹慎じゃないのか? いやいや、亡くなった人の霊は高い所から見守っている、、というではないか(そうじゃなかったっけ?)  なら、山の上に立ち霊に祈るのは残された者の務め(の一つ)でもあるではないか.おお、何という説得力.

 焼石岳には2016年に一度訪れている.その時は雨とガスで視界ゼロ状態.雨では花撮りも難儀.散々な山行だった.そこで、リベンジを兼ねての再訪である.登山口は秋田側からにする.当日は北秋田市の姉の家に行くので、下山して少しでも近い方が良い.

 前日、道の駅 「十文字」 で車中泊.大型車が多く駐まっててエンジンかけっぱなしだから、煩くてあまり眠る事が出来なかった.翌午前4時前に出発.登山道入り口は判り易かった.東成瀬村三合目登山口の駐車場でお湯を沸かし、早目の朝飯力カップを食べ、出発したのは午前五時丁度.風が吹くとちょっとヒンヤリするのでペラペラパーカーを羽織って丁度良かった.他に誰もいない駐車場の周りにはマイヅルソウが沢山.タニウツギが紅を添えていた.

  焼石沼〜山頂〜下山  デジ一画像【花編】  デジ一画像【風景編】
 



焼石沼の畔から、三界山 花はミヤマキンポウゲ



東成瀬村 三合目登山口 5:00


辺りはマイヅルソウが沢山


タニウツギ


左の道は「すずこやの森コース」、右から登って来た


ツクバネソウ






 緩りと登っていく道脇にはマイヅルソウが旬の様だ.花が大きい.少し急登し、間もなく「すずこやの森」 コースからの道と合流し、起伏の少ない歩き易い道になる.ブナの木も多くあるがあまり太さはない.それでも、その樹林帯の中を歩くのは、気のせいか気分がいい.

 「釈迦ざんげ」 は一応左回りをとる.右は「まわり道」という標識があるから、左は多分何かのピークを登り下りするのだろう.帰路では疲れてるから往路で.で、五合目「釈迦ざんげ」 は、上は開けているけど導標だけで何も無い平らなピーク(も不明) だった.此処への登りで汗をかき、ペラペラパーカーは脱いだ.

 そこから、ロープのある急斜面は階段状に足場が造られて難儀ではない.足場の所に小さなジムグリ(蛇)がいて、気付かず踏んづける所だった.




ブナ、ネマガリダケの道



スミレの仲間? すごく小さい


左に行って「釈迦ざんげ」  復路は右から下りてきた


ツマトリソウ やっぱり白飛び


キバナウツギ


釈迦ざんげ


ツバメオモト


アカモノ


すぐ判るだろうと思ったけど・・・ マウスで拡大画像
 色の薄いイワカガミや、ツマトリソウ、名前が判らない小さな花が次々と出てきて、中々楽しい.ツバメオモトは株は沢山あるけど殆ど終わっていて花はないのが少々残念・・・と、思っていると、一株密に花をつけているのがあってラッキー.

 一度目の徒渉があり、飛び石伝いに対岸へ渡る.小規模の湿地場所に少し大きな黄色い花が沢山.リュウキンカかな.その周りには小さな黄色い花がこれまた沢山.ミヤマキンポウゲかな?と思ったけど、葉っぱが丸いのと地を這う様な伸び方なので違う気がする.

 二度目を徒渉し左岸に上がると、ハクサンチドリの様で少し大きく尖った花が咲いていた.調べてみるとテガタチドリやノビネチドリによく似ている.葉っぱの付き方と大きさでノビネチドリか? コンデジを構えていると、単独男性が徒渉してきた.ご挨拶し、先に行ってもらう.観るのは(爺にとって)珍しい花なので、デジ一でも撮っておくことにする.これまでも花を見る度に留まってきたから、中々先に進まない.※この花、こないだ登った那須の駐車場で見たのと同じだなあ←さっき気が付いた.



オオバキスミレ


大きな葉っぱのフキ、茎はパキッと折れてみずみずしい



一番目の徒渉



リュウキンカ


二番目の徒渉 振り返って



ノビネチドリ?



六合目


スミレの仲間



 六合目「与治兵衛」 からは水芭蕉も加わり花の廊下になる.七合目「柳瀞」 で先程の男性が休憩していた.湯沢から来たと言っていた.花は詳しくない様だけど、登山口が近いこともあって此処には何度も来ているらしい.この辺りも花は多いが、「焼石沼」 は特に凄く、沼と焼石岳の光景が素晴らしい.と、絶賛している.そこから、話をしながら一緒に歩いて行く.

 三度目の徒渉を終え、雪融けが終わったばかりの様な場所では、小さなミズバショウがやっと花を咲かせている様だった.笹藪と道の境目に薄紫の大きな花が咲いている.おお、シラネアオイも今季初.ハクサンチドリもチラホラ出て来る.あの黄色い花やスミレ類は相変わらず多い.ミヤマカタバミは少ないが花が開きだした.コンデジで撮っても白飛びは判っているけど、やはり撮ってしまう.一体、山頂に着くのは何時になるやら.


三度目の徒渉


ミズバショウ



エゾノリュウキンカ?



ムラサキヤシオツツジ


ミヤマカタバミ



崩れた所もこうやって補修されてます

 50mm位の太さがある二本のパイプから勢いよく水が噴き出ている水場に着き、湯沢の男性は水を補給している.柄のない柄杓が置いてあり、水を汲んで飲んでみた.お!んまい. 雨の中、銀命水で飲んだ水より、やや硬い口触りの様な気がするが、あっちの方が格別なだけ.裏女峰の水に匹敵、いやそれ以上だろうと思う(←爺の中だけのことです) 凍らせて持ってきたペットボトルの水はまだ溶けきっていないので、水は汲まない.帰りに補給しましょう. 
 その水場が過ぎると、左手の方が開けてきて、(左)目の前にどっしりとした山容の山が見える.「南本内岳」 =みなみほんないだけ と言う山らしい.その左後方には三角の独立峰の様なピークが、際立つ.こちらは「三界山」 で秋田、岩手の県境になってるそうだ.標識があり、道が良いと地図を殆ど見ない.此処は岩手県になっているのだった.

 前方に焼石岳がチラチラ見えてくる.ガスが薄くかかってるかも知れない.広がる草地は黄色の絨毯、ミヤマキンポウゲの大群落だ.息を飲む光景、素晴らしいロケーションである.湯沢の男性には先に行ってもらい、此処で撮影タイム.お腹も空いてるのでパンを食べながらだ.



水場


ミヤマキンポウゲの道



右、南本内岳 左、三界岳



ノウゴウイチゴ?


焼石沼に着きました 8:25



焼石岳 (焼石沼は八合目なんすね)




少し位置を変えて




スイバ(スカンポ) がこんな山の上に




沼の畔から振り返って、 ポールの建っている所が分岐




 焼石沼から周辺一帯には、広くミヤマキンポウゲのお花畑だ.よく見ると、分岐からの踏み後と、湖畔に僅かの花の咲いてない露出した泥地、草地があるだけで、踏み荒らされていない.ロープや立禁看板は全く無い.あったのに朽ちて倒れて草の中なのか、それは判らないが、こうなると、少しの空き地に三脚を立てる事が精一杯で、(花の咲いてない)草地に入る事さえ、はばかられる.

 それでも、この光景と素晴らしい環境に保たれている事に、このコースを辿る登山者達のマナーの良さに、敬服する次第である.











焼石沼〜山頂〜下山  デジ一画像【花編】  デジ一画像【風景編】  Photo Nikon P7800 二代目 

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