◇山登り◇

山形県遊佐町
笙ガ岳
しょうがたけ:1635m



                  



2016,8,6 訪問


(時間やルートは参考にしない事)
              
 2014年、万助道(鳥海山へ登る南側ルート)を登っている途中、木々の間から急ではあるが、ギザギザとかゴツゴツではなく草を積み上げたような優しい山並みが望めた.持っていた地図を眺めると「笙ガ岳」とある.その時は特に気にも留めてなかったけど、後で Yoshiさん から日本海を背にして登る良い山だ と、教えていただいた.

 梅雨が中々明けず天候があまりよろしくない日が続き、中々そこへ行く計画が出来なかったが、梅雨が明け7月が過ぎて東北にも晴れマークが並んできた.雪融けの花は概ね過ぎてはいるんだろうけど、まだまだキスゲとか咲いてるかも知れない.早速行って見る事にした.一の滝P→万助道分岐→ガラ場分岐→笙ガ岳→鳥海湖→千畳ヶ原→二の滝コース下山 という周回ルート.

 前日は道の駅「とざわ」で車中泊.熱くてあまりよく眠れなかった.月山 に登ってお花の見学後一の滝Pに移動.月山を歩き疲れているのでよく眠れるだろうと思ってはいたが何故かよく眠れず、うとうとしては目が醒め起き出した時は多少疲れがとれているものの、身体が重く感じる.

 支度などはほぼ昨日のまま.ザックの中身は変わりなし.食料とザイル(はいつも持って歩いてるもの)のみを追加.昨日(月山)は行程が楽だったので三脚を持っていったところ、使いやすく(当然ながら)200mmずーむでも安定するので、ゆっくり登れば良いだろうと少し重いのを我慢して担いでいく事にする.

 朝飯は昨日と同じコンビニサラダ(ドレッシングなし)と力うどん.しっかり食べられた.



笙ガ岳と鳥海山(右)  県道60号支線、宮山坂公園を過ぎた所から



一の滝P


二の滝口Pの、 此処から登山口


万助道十字路


分岐に近寄って 高瀬峡への道は緩く下っていく


新緑や秋は気分の良い道になるでしょう. ブナとかは太くない


車で、一の滝Pへ行く途中にあります
とても美味しい水だと思います.Pあり
 万助道を高瀬峡方向へ横断し、笙ガ岳の登山道へ.藪などではなく判り易い道だがそれ程多く歩かれている様子はなさそうで、地面は少し柔らかい.沢を幾つか横断し、十字分岐に着く.導標に笙ガ岳の文字はなく「ガラ場」とあるだけ.出だしから此処までも何となく足が重い.それでも、分岐から緩やかで(登山道としては)広く刈り払われた道を歩いているうちに調子が出て来た.大きなブナの梢から差し込む陽光が、元気をつけてくれているのかも知れない.ちょっと、熱いんだけど・・・

 道はほぼ一直線で徐々に斜度を増してきた.標高700m辺りを越える頃からさらにきつくなり、うっかりすると身体を後ろに持っていかれそうになる(汗).ブナの樹林が無くなり、両側は笹と低灌木になる.更に一直線の登りは続き、水を飲む回数が増えてきた.喘ぎ喘ぎ着いたT字分岐に「ガラ場」の標識を見て、地図を確認した時「笙ガ岳」山頂があまりにも長く遠く感じてしまった.それだけ疲れていたのかも知れない.

 ザックを下ろし地べたに座り込み息を整え、お昼過ぎのおやつに食べようと持ってきたフルーツゼリーを食べ、アップルパイのパンを食べた.景色を見て写真を撮っていたりしたら少し元気が出て来た.



沢の水は冷たい.舐めてみたら大丈夫みたい


テープ、道標は殆どない


此処から笙ガ岳への登山道 ガラ場方向へ


道は広く両側は刈り払いされています


ブナの樹林から灌木帯の中の急登(画像では緩い感じだけど・・・)


急登を喘ぎ喘ぎ、もう一がんばりでガラ場(950m付近)



ガラ場、以前は開けた岩ゴロだったんでしょうか.今は灌木やブッシュに
覆われています.東(万助道から繋がる道)にちょっと刈り払いが
延長され、岩に立つと下の景色が遠望出来ました


万助道へ繋がる道.刈り払いはされてないので廃道になって
いるかも知れません.テープ、道標等もありません


ガラ場から この時は日本海が望めると期待大だったんですがね・・・


振り返って、笙ガ岳ってどれでしょう.



デジ一 ガラ場から東側(月山森から下りてる尾根)




デジ一 ガラ場から 中央水平線の様なものは日本海でしょうか?

 ガラ場からも斜度のある一直線の登山道が続く.低灌木の短い枝は頭上を塞ぎきれず、灼熱の陽光が遠慮無く降り注ぐ.高山ならいざしらず、今登っている所はせいぜい800m位の低山と同じ.熱ゥ〜い.
 時々後ろを振り返って景色を見る.残念ながら雲が多く日本海は見えない.で、新山や七高山側はガスに包まれて、こちらも見えない.今登ってる上だけが晴れてるなんて・・・こんなの、ありかあ〜

 時々東側のガスが薄くなり、新山や月山森が姿を現す.足元には白い花に混じりハクサンフウロの紫色が目立つ.下を覗くと樹木の無い斜面が上の方まで続き、所々に黄色い点々のキスゲ群落がある.とても良い眺めだ.もうちょっと道の傾斜が緩ければもっと良いんだが・・・ 

 休憩を兼ねデジ一を出してあちこちカシャカシャ.下から早足の若者が登ってきて軽く挨拶.あっという間に上に行ってしまった.このルートで唯一会ったハイカー.

 この頃から、身体が段々熱くなり、足も重くなる.クッキーを口に入れたけど飲み込むのが辛い.まずいなぁ、、、



あらーー 日本海側に厚い雲が・・・


強い日差しに焼かれながら登ります


時々はガスがきますが、ちっとも涼しくありません
 少し登ったら左(西)側に踏み後があり辿っていくとどうやら日本海を望む展望台の様だ.行ってみたけど雲がぎっしりなので海は見えない.花等を撮りながら小一時間程ねばったがダメだった.標高が上がるにつれ上の方もガスに包まれたり薄くなったりの様子.何度も、あれが笙ガ岳の山頂かと思うピークが消えたり現れたり.

 草花の中を登って、傾斜が突然緩んだと思ったら平らなお花畑に出た.ガスが濃く見通しが利かない.山頂付近だと思われるが、山名板とかは見当たらない.足元にやや斜めになった三角点があった.もう一度辺りを見回し、山名板とかないか探してみたが、やはりなかった.GPSを三角点の上に置き測定.笙ガ岳山頂だった.

 ザックを下ろし、水を飲みクッキー一片をかじりちょっとウロウロしてみたら、三角点からやや西側に錆びた道標があり、これが恐らく山名板ではないかと思われるけど、文字は読む事が出来なかった.



木が一本も生えてません.少し登ったら左側へ短い踏み後がありました.空は青空も見えます
期待して・・・



おお〜 日本海ではなく 雲海でした(ガックシ) ・・くそー、熱さ倍増




白いギボウシ(?)が咲いてます




デジ一 新山(左) 七高山(右) よく見えたのはこの時だけ




東斜面にはキスゲが・・・ 撮りに行こうなんて思いません、滑ったら何処まで落ちるか




足元には草花が沢山 ヨタヨタ登るので踏みつけてしまった花も沢山 ごめんなさい


三角点


赤錆た山名板(?)



山頂のお花1




山頂のお花2



デジ一 トウゲブキ

 ガスが晴れないかと此処でも小一時間程待ってみたが、海の方はやはり晴れない.長坂道方向が晴れてきてその道を現してくれたけど、ピークが幾つかあり道がハッキリ続いているのが判る.あれを通っていくのか、、、と、一瞬たじろぐ.調子が良かったり、涼しかったりなら楽しい道には違いない.何しろ、人工物(四阿とか)や木も隠れる岩もずーーーっと見当たらないのだ.ずーーーっとハイジが遊んでる草原の様なのだ.

 此処まで、熱さに負け疲労困憊.笙ガ岳山頂を下り、何か食べておかなければ・・・と、広い鞍部の砂地に座り込み お昼用に買ってきた冷やし中華を取り出して食べてみる.喉を通ったのは麺3分の一と僅かな野菜と、つゆにどっぷり浸したゆで卵半分.やっとだった.水ばかり飲む.こんなんで下山の二の滝コースを下れるんだろうか?水が無くなったら、それこそ大変だ.歩けなくなったらもっと大変だ.

 この時点で、二の滝コース下山は止めて万助道を選択.万助小屋へ着けば冷たい水はあるし、一夜明かすのも問題ない.登りでも下りでも一度歩いているし、迷う所はない.そう、決めると身体が少し楽になった.


ガスからフワッと浮き出たピーク あれを越えるのかオイ


ガス、とれませんね



又、斜面に・・・



チングルマの果穂


花が開いたばかりのキスゲ
 陵墓の様なピークを二つ越え、吹浦口分岐で2人組の休憩中女性ハイカーに道を聞かれ、続いて鳥海湖方向から下りて来たオジさんに又道を聞かれた.鉾田の駐車場から登ってきたらしいが、道をグルッと回ったらどっちへ帰れば判らなくなってしまったらしい.地図をみせ、今いる所を(地図に)指さし、駐車場はあっち、と御浜小屋方向を教えてやった.ググッと登り坂になるのを見て、う゛ぁ〜ッ と、一声.気持ち判るなあ・・・ トラバース道の木道に入り、青年が青年と何やら話をしている.少しして別れ、爺を見て挨拶.こちらもこんちわと返したら、さっきの人スマホのGPSで道を間違えたと言ってましたよ.と、苦笑い.まあ、小さい画面ですからね・・・私など広い地図見て間違えますよ・・・と、今日は謙虚(笑) 話をしながら鳥海湖まで一緒に歩いた.

 その、青年別れ際に”ゆのたい”に下山してバスに乗る と、言ってた.鳥海湖を半周する道から分岐に着いて、爺は千畳ヶ原方向へ、青年は扇子森の方へ続く木道を歩いていった.ん!”ゆのたい”とは、滝の小屋方向ではなかったか? それとも、別にあるのか? ま、青年は迷うことなく分岐を歩いて行ったから、そういう所もあるのだろう.爺はやや荒れ気味の階段を下りて二の滝口へ向かった.



見るには気持ち良いけど、熱くて辛い歩きになりました



鞍部付近から振り返って笙ガ岳


ギボウシ(?)の群落


下にキスゲの群落が、、、ちょっと遠いか


静かな鳥海湖



デジ一




デジ一




デジ一

 二の滝口から取り付きがテープガンガンで判りやすくなった万助道に入り、刈り払いなどされてないブッシュ藪を掻き分けて仙人平へ着き一休み.空腹感はあるけど食べ物が喉を通らない.身体も熱い.水を飲み我慢してクッキーを2−3個口にする.水で流し込む.まさか、熱中症の前兆じゃあるまいな・・・などと心配してみたりする.ガスが強くかかって、僅かだが冷たい風が吹いて、先程の懸念を打ち消す様に身体を冷やしてくれた.少し落ち着かせ暖かくなったペットボトルの水を一口飲んで、カンロ飴を口に含み出発.幸いな事は、この道に大きな登りが無い事である.

 木道も何も無い湿地帯やキスゲの咲いている斜面を撮影する元気もなく、万助小屋目指して下る.殆ど休むことなく下り続け、沢音を耳にした時は限界に近かったかも知れない.小屋の後ろに着き水場である沢に着くと、何とビールとかワインとかが冷やしてあった.泊まり客がいるんだねえ〜.小屋から若い男性ハイカーが出て来てご挨拶.すぐにザックを下ろし水辺に座り込み、水を汲んでかけつけ3杯.頭にタオルをかけてそれに水をかける.濡れたタオルで顔、うなじ、脇の下を拭きまくる.生き返ったと言う事はこの事だ(笑) 気が付いたら目の前に3人の男女がいた.


新山はガスがとれません


万助道 これ、道かぁ〜 知ってないと躊躇しますね



仙人平で、又キスゲ

 明日は、新山を目指すのですか? と、聞いたら 鳥海湖から笙ガ岳を回って来ようかなと計画しているという.笙ガ岳を下降に使うのは正解だろう.お互い情報交換し、爺はそのまま下山.万助道分岐から3ヶ所程ある登り坂(普段では大した事がないんだけど) に、悪態をつきながら登りやっとの思いで一の滝駐車場へ.何とか明るい内に着く事が出来た.駐車場には誰もいなくて、迎えてくれたのはでかいウシアブ4−5匹で、右足の脛を咬まれてしまった.

 冷たい水で身体を拭き、クーラーボックスの中ノ冷たいジュースを飲んでやっと一息.眠くなったので目をつぶり目を開いたら辺りは真っ暗.40分程経過していた.帰路に着く.家に連絡を入れ、どっかの凄い規模の花火大会を遠望しながら自動車道に乗り、パーキングが出てくる都度休んでは短時間爆睡.眠る時間が短いからかいくら寝ても走ると又すぐに眠くなってくる.そんな事を繰り返しながら我が家には翌日の朝方に到着.






色の薄いシャジン


アカモノの実




クルマユリ







トウゲブキ





アザミの仲間




ミヤマリンドウ


ハクサンイチゲ


ニッコウキスゲ


イワイチョウ


ヒナザクラ


リンドウ




カラマツソウ


キンコウカ
”デジ一” と表記のある画像以外は → Photo Nikon P7800 

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当レポは
写真撮影だったり適当に歩いたりで、時間やルートは参考になりません.
仮に当レポを見て行かれる場合は予め情報を収集していただき、計画を
充分に立ててから実行して下さい.